August 27, 2006

Gilefema

Gilfema_cover_180x


Ariaと一緒に買ったObliq soundからリリースされたアルバム。
Lionel Loueke(g, vo)、Massimo Biolcati(wb)、 Ferenc Nemeth(ds)のトリオだ。
リーダーのLouekeは、ショーター、ハンコックもその才能を買っているらしい。
昨年、Santanaが来日した時に、ギタリストがもう1人居たけれど、彼がそうだったのかもしれない。(全く、調べてないで言ってます。)

Loekeの歌は、他のアフリカミュージシャンと同じようなプリミティブな趣きがある。
時にはメセニーバンドのような洗練された面、浮遊感もあって、とても新鮮だ。
アフリカの音楽って、今まで、それほど魅力を感じなかったけれど、これは愛聴盤になりそう。

全部で13曲と、盛り沢山なのだけれど、3人がそれぞれ曲を提供している。
Louekeが6曲、Biolcatiが4曲、Nemethが3曲。
3人が書く曲のタイプが異なるのが、全曲聴いても全く飽きさせない一つの理由だと思う。
Loekeの書く曲は、トラッドなフォーク・ブルースのような曲。単純なリフが使われることも多い。
BのBiolcatiとDsのNemethは、おそらくLoekeにメセニーの影を感じたのか?
Loekeとは逆に、PMGのような洗練された曲を書いているのが、ちょっと可笑しい。

こんなバラバラな曲想なのだけれど、統一感があるのは、Loekeの歌・ギターがものすごく個性的だからだろう。
ノンエフェクトのギターにユニゾンで被るLoekeの不思議な歌声。
コンテポラリーな浮遊感あるフレーズを、よりフワフワとさせる。
おそらくピックよりも指弾きをメインとしていて、相当なテクニシャンではないかと…

ギタートリオというシンプルな構成が、それからb、dsの二人が、スカスカな空間を提供しているのが、Loekeの歌、ギターを特に際立たせていて、良いと思う。

うちジャケには、Obliq soundのプロデューサーのMichele Locatelliが、トリオの3人と並んで写っている。
メンバーと同様、30代前半くらいの、知的な風貌のお兄さん。
Obliq soundの多くのアルバムのプロデュースをLocatelliがやっているみたい。
一緒に買ったAisha duoってヴァイブとマリンバのduoでは曲も提供していた。

なんだか、良質なバンドを幾つも紹介してくれそうな雰囲気で、とても楽しみだ、このレーベルは。
Luigi Bonafede - Pietro Tonolo Duo なんてのも、HPを見ると紹介されている。
まだCDリリースされてないけれど、待ち遠しいなあ。

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Gilefema (Obliq sound)
Lionel Loueke(g, vo)、Massimo Biolcati(wb)、 Ferenc Nemeth(ds)
’04 9月録音

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May 03, 2006

Kip Hanrahan / Vertical’s currency

Vertical_currency


想像するに、これは大人が聞く音楽と思う。
かっこいい大人に、未だ憧れている僕がそう思うのだから、確度は高いはず。(いや逆か。)






Kip Hanrahanは、僕にとっては謎の人で、
作曲家なんだか、アレンジャーなんだか、演奏家なんだか、全然分からないのだけれど、
スゴイ音楽を作ってしまう人なのだ。

日本語ライナーノーツに、Kip Hanrahanの面白いコメントがある。
  「Vertical’s currencyは、ソウルバラードをたっぷりぶち込んだ、
   俺たちなりの”スモーキーロビンソン”風アルバムにしてやると、俺は決意していた。
     ~すごく長い中略~ 
  俺たちが創りたい、聴きたいとずっと思っていたポップ・アルバム。それがこの作品である。」

これで、なんとなく中身は大体想像できるのでは?

ところで、その「俺たち」って?
Jack Bruce, Steve Swallow, David Murray, Art Lindsey, Peter Scherer…
ここで、また音が想像できなくなったかもしれない。

Kip HanrahanはAmerican Claveってレーベルから、’79年から’98年まで、12枚のアルバムを発表しているのだけれど、
代表的な参加ミュージシャンの名前は下記のとおり。
Carla Bley, Bill Laswell, Billy Bang, Jack Bluce, Steve Swallow, Art Lindsey, Jammaladeen Takuma, Ricky Ford, David Murray, Andy Gonzalez, Ricky Ford, Sting, Chico Freeman, George Adams, Dino Salluzi, Brandon Ross, DD Jackson…
僕は4枚しか聞いてないので、断定的なことは書けないけれど、決してごった煮な人選ではないと思う。
Kipは、ラテン(クラーべ)のリズムの上で、こんな人達に演奏させたら・・・・、
こんな音になるって適確に想像してしまうのだろうな。

もう一枚の僕の好きなアルバムExotica(‘92録音)と同様、Vertical’s currencyもJack Bruceの参加が特徴的だ。
ベース、ボーカル両方で活躍している。
ちなみに、ジャケで哀愁を含ませながらニヤと笑ってるのがJack Bruceかしらん。
…青いジャケのデザインが良い。

この人のボーカルって、正にAOR的なものだったんだ。こんな甘い声のおっさんだとは、知らんかった。

このおっさんと、これまた甘くて美しいSteve Swallowのベースギター、
アグレッシブでも実は胸キュンなソロもばっちりOKなマレイ、
とんがっていて、チープでクールなアンビシャスラバーズのお二人。
音楽を淡々と、よりクールに響かすパーカスのお兄さん方…

アルバム全体としては、拍子抜けで、中途半端な部分があることも否めない。
胸キュンな部分と、空虚なところが混在している不思議な魅力のアルバムだ。

1曲目“A small map of heaven”、タイトルもとても可愛らしい、この曲で大抵のAORファンはイチコロだと思う。
Steve Swallowのベースギターは、そこら中で面白い効果を出している。
この曲では淡々と、コードをジャーンって刻んでいるだけなのだけれど、キーボードともギターとも違う雰囲気。
出始めのシンクラビアとSwallowのジャーンと、ゆったり入ってくるBruceの甘い声…天国ですな。

もっと天国気分を味わいたい人は4曲目、Two heartedly , to the other sideへ。
Jack Bruceのステイブルなベースに甘いボーカル。
多重録音と思われるSwallowのアルペジオのきらびやかさ。初めて聞いた新しい音色だ。
とてもベースとは思えない。まあ、ベースだと思って弾いていないだろうけど。
この人はone and onlyなのだなあと、つくづく思ってしまう。

マレイは全曲ではないけれど、多くの曲に参加している。
確かに「マレイ」。おとなしいけれど、マレイ。
うーむ、ミスマッチでないのが、おもしろい。
このあたりのフリーの闘志的な人達も、R&Bやモータウンの影を感じることがあるから、適切な人選なのかも。
むしろ、マレイがKip Hanrahanに敬意を払って演奏に参加したのだと思う。

Exoticaは、Vertical’s Currencyと比較してシニカルな部分はなく、もっとストレートな音楽。
Jack Bruceを中心とした音楽には変わりないけれど、
ひねくれたSwallowから、直情グルーヴィなDon Pulenへ準主役が交代した影響かも。こちらも、お奨め。

Kipの他のアルバムも聴きたいけれど、最近店頭では見かけないのと、枚数が多いのが難点。

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Kip Hanrahan / Vertical’s currency(American Clave)
Jack Bruce(b,vo), Steve Swallow(b), David Murray(ts), Art Lindsey(g), Peter Scherer(key)
Ignacio Berroa(trap drums), Ton Cardona(per), Kip Hanrahan(per), Puntilla Orlamdo Rios(per)

’84 録音

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March 22, 2006

CD babyで買ったCD達

先日買ったインディーズレーベルのCDから、お気に入りの何枚かを。
リッキーリー似の女性vo、かなりひねくれたジャズで、面白いのがあって、
とっかえひっかえ聞いている最中。
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<リッキーリー似の女性vo>
左から、Jennifer Robin/ Nonoday、Lurell Hubick / The fool in me、Rosie Brown / By the blue
アコギを主体に、wbやローズなんかも使っていて、ちょっと似たような音作り。
どれもクール、演奏もカッコよく、胸キュンなふりかけが一振りあるのだけれど、キラーチューンが無いことが難。
聞いていて、最初期のBen Watt、Toracy Thronを思い出すのだけれど、
彼らは演奏技術に関して、ウームな部分も多かったけれど、いい曲を沢山作っていた。
ポップスシーンでメジャーになるには、当たり前だけれど、作曲能力は最重要ファクターだね。

リッキー度で言うと、Lurell>Rosie>Jenniferか?
Rosieは、バンドとしての音作りを大切にしているのが感じられる。
Jenniferは、ジャケ写真からも伺えるように、一番強そう?な声。
曲に関しても個性が強い。アコギ2本、WB、パーカス、フルート他のシンプルな編成。
3枚のうちの1枚を選ぶのだったら、Jennifer。
シンプルであるのが、かえって力強さを感じさせるのかも。
大きなくくりだとフォークなのだと思うけれど、僕の好きなジャズの要素もあって、いい。

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<ひねくれたジャズ>
買ったCDの中で、コンテンポラリーなものは、カッコいいものの、残念ながら2回聞きたいものは無し。
一方で、ひねくれジャズは、面白いものがあった。

ここで紹介する2枚ともに、ウェザー、電化マイルス、RTFの影響も感じられ、実は最先端とは言えないのかも。
最先端でぶっ飛んだ音楽って、やっぱりインディーズではなく、メジャーにあるのかしらん?

①Todd Sickfoode group /blood orange(写真左)
ひねくれジャズはベーシストがリーダーのものが多い。これも、そう。

Todd sickfoodeはベースの他bell、ピアノも演奏している。
ts,tb ,g ,b ,dsのクインテットが基本のファンク・ジャズ。
世界一危険なギタリスト(らしい)のNels Cleinがゲスト参加なのが嬉しい。(いぇ~い)
その他,ローズ,effectsもゲスト参加している。
Chris Cheek、それからEric Klossを思い浮かべてしまうts、とてもクールなtb、この二人の付かず離れずのソロがかっこいい。ジョンスコとロバーノの一卵性双生児のような、掛け合い。そんな感じもある。
ローズがやたら気持ちいいし、ぐにょんぐにょんのギターも面白い。(Nelsでないほう)

フリゼルが書きそうな、ゆったりしたワルツがあったり、全体的にアメリカを感じさせる。
熊のジャケット、蛇(serpentine1~4)、馬(microscopic horse:曲との対比が可笑しいタイトル。)、猿(monkey wrench of the future)にちなんだ曲名と、動物にまつわるところが多いのが、なんだか面白い。

アルバムの頭とお尻に入っている、Serepentine1、4。同じ曲を違う編成でやってるのだけれど、
強力なロック・ファンクで、かっこえ~。爆音で聞いてみたいね。

②John Ettiger/ August rain(写真右)
Violin, Rhodes, bass, dsのカルテット。
Violin奏者として、さっと頭にあがるのは、Jean-Luc Ponty(マハビシュヌのところや、アコースティックジャズをやっていた頃の)、それからNels Cleinと一緒にやっているJeff Gautheirの二人。

Vln奏者John Ettigerのバンドも、Jeff Gautheirと同じような雰囲気を持っている。
エグさはなく、もっとサラっとした感じ。ともに、とってもキャッチーな曲を沢山持っているってのが、大きな共通点。
ふり~な曲は無いため、聞きやすさでは、こちらの勝ち。耽美さでは、負け。

上のTodd Sickfoodeと同様、 Rhodes (Art Hirahara)の使われ方が、とってもいい。
ループなど最近のテクノロジーを使っているものの、昔ながらのローズの使われ方。
電化マイルス、RTF、ウエザーがパッと浮かび、同年代のおっさんには溜まらんものがあると思う。

メジャーからでは、こういう焼き直し的なものって、陳腐なものって、捉えられちゃうのかな。
とすると、なかなか聞くことが難しい、好盤と言えるのかもしれない。
…Ponty聞けばいいじゃん、って言えばそれまでだが。…いいよ、これ。

ありゃりゃ、今気が付いたのだけど、このアルバムもbはTodd Sickfoode。
それから、dsもNelsとバンドやってる人だって。
ローズのHiraharaさんは、WEBで見ると日系人かしらん。。。。

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November 26, 2005

Greg Osby / Symbol of light(solution)

delight_of_light

Kuhnに続いて弦とジャズコンボのアンサンブルをもう一つ。
ジャケットデザインも内容も、一般受けしない…ちょっとゲテなアルバムだと思う。
Osbyのファンでも退いてしまうところを想像してしまう。
(AMGの評は、これ以上酷く言えないってくらい、ひどい!!)
でも、alter ego(無二の親友のこと。ライナーノーツで知りました)のOsbyとMoranのすんごいインプロバイザぶりが、よーく分かる作品だ。

キューンの10月組曲も一筋縄でいかない問題作であるけれど、これもそう。どことなく黒い弦がOsbyとMoranに纏わりつつ、触発する。

ライナーにはOsbyの言葉が。(いい加減な訳)
「アレンジには9ヶ月も掛けた。演奏者にボウィング、ピッチカートなどの奏法を色々聞いて、どんな風にサウンドするか色々調べたんだ。その結果バイオリン、ビオラが低音部、チェロが高音部を受け持つ部分も出てきた。
多くのアレンジャーはビオラを使わないけれど、僕はあの音が好きなんだ。
アドリブは得意でないだろう、彼らは。ソロ回しのバッキングでは、複数の譜を用意して、その場で一番良いものを選んでもらった。
バッキングも有機的に変化するし、僕もjassonもそれに多いに刺激されたわけ。」

…10月組曲のゲイリー同様、Osbyがこのアルバムに掛けた意気込みは、スゴイと思うし、それは二人のソロを聞けば、すぐに分かる。

弦はバイオリン2、ビオラ1、チェロ1の4重奏。曲によってはトリオ、Scot Colleyもアルコで参加しているぽい曲もある。
曲によって色々な使われ方がされていてる。Osby自身、弦との音色の違いを楽しむようにテーマをハモったり、分厚い和音で伴奏したり(2曲目ではMoranのコンピングパターンをそのまま引き継いでいる)、小鳥のさえずりのような効果音を出したり…。

アルバムの始まりはMoranのミステリアスなイントロによるワルツ、3 for civility。
いつものOsbyバンドと変わらないのだけれど、弦のアンサンブルを伴ったチェロ(それともwb?)のテーマが始まると、聞いたことの無いような異質の空気(それはアルバム全体を支配するのだけれど)が流れる。
…このあたり、受け付けない人もいるかも。

2曲目repay in kindはこのCDで一番のお気に入り。Osby-Moranって、アブストラクトでゴリゴリしたものがある一方で、留まるところなく、つやっぽいフレーズが溢れ出てくる華麗なところがある。
この曲は、彼らのそんな一面を楽しめる。
MoranのピアノはAndrew Hillのスタイルを進化させたようなスタイルだ。
かなり個性的であるけれど、僕は大好き。

ソプラノの演奏が聞ける3曲目m(プーさんの作曲)、7曲目one roomも魅力的。この2曲では弦がカルテットに挑み掛ると言うより、混じって溶けてしまいそうな演奏をしている。

難があるとしたら、少し長すぎること。10月組曲と同様、40分位に削ぎ落した方が良かったと思う。
いい曲が多いし、すんげーソロに釘付けされるあまり、元気が無いと最後まで集中して聞くことが出来ない。

Osbyは、近くプーさんとデュオでツアーするそう。
この時期、忙しく行けそうもない。
残念。

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Greg Osby / Symbols of light (a solution) (blue note)
Greg Osby(as,ss), Jsaon Moran(p), Scott Colley(b), Marlon Browden(ds)
Marlene Rice-shoaw(Vln), Christian Howes(vln), Judith Inshell-Stack(viola), Nioka Workman(cello)

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November 24, 2005

Steve kuhn / The october suite

10_suite


Kuhnのアルバムの中で一番好き。
10月中にインプレを書こうと思っていたら、11月もおしまい。
今年も時間が経つのが早い。
トマスのことで頭一杯だった…と言うのは言い訳。

Kuhnは自分のポートレイトをジャケットに使うことが多い。
このアルバムでも渋くタバコを吸うゲイリーの後ろで、不敵と言うかワケ分からん表情のkuhnが立たずんている。
おじさんってだけで、後すざりしてしまう若い女性はともかく、
ジャズファンは、「よし!聞いて見よう」と思うデザインじゃないかな?

Kuhn、Ron carter(b)、Marty Morell(ds)のトリオにGary MacFarlandが指揮する弦、またはハープと木管の合奏。

曲は全てGary MacFarlandによるものとのこと。(と言ってもgaryって、どんな人か知らないけれど。)

トリオと書譜の楽団の組みあわせ。
とても難しいように思えるけれど、とても良い。
僕の持っているCDは jazz批評の高木さんがライナーノーツを書いているのだけど、曰く「ゲイリーの書く弦はインプロヴィザー、キューンを思い切り刺激した。」…僕もそう思う。

Kuhnのピアノて、とても独特…
それは最近の作品よりも初期の作品に感じるのだけれど、ゴツゴツと、流麗なところは少なく、でも耽美。
不思議だ。
ミスタッチも厭わず、ベシャベシャって執拗な連打、ピアノに寄り添いながら静かに弾く時も、時折強烈な音の塊を投げてくる。
ワンパターンで、不器用なのかなと思うこともあるのだけれど、エグミっていうか、そんな味わい。
ポールブレイも似たような感じもあるけれど、キューンは清楚で、猥雑なところが無い。
(…ブレイは、なんだかHだもんね。)
聞いてる雰囲気にもよるけれど、真面目なキューンに軍配を上げちゃう。
感情移入の激しいところも、真面目であるから、すっと、受け止められるのだよな。

全曲で38分。
最近のアルバムと比較すると非常に短いけれど、丁度良い長さだと思う。
緩急が激しく、本当色んな場面に遭遇できる、面白いアルバムだ。
1曲目Onece I could have loved、5曲目 Childhood dreamsは”13”って映画に書かれたもの。
他は、このアルバム(と言うよりキューン)のために作曲されたとのこと。

どの曲も素晴らしく良いけれど、バラードのRemember whenと、Childfood dreamsが特にお気に入り。
Child fooddドリームでのプレイは、悶絶しちゃうくらい美しい。
付け加えるとMiles smilesを録音していた頃のロンカーの演奏が、すんげーロマンチックなのだ。
どちらかと言うと淡々として無機質、無感情な演奏であるけど、しつこいくらいのキューンとマッチしてる。
やっぱり、誰が何を言おうとも、ロンカーは上手い。

3曲目のワルツSt. Tropez shuttleて曲も面白い。
リズム的には、ボサみたいな雰囲気。
これも、ロンカーの特有のイントネーションが際立っていて、良い効果になっている。

全体的に見ると、弦・木管の中をある時は優雅に、ある時は激しく浮き沈みしながら、
キューンが泳いでいるような雰囲気。名盤っす。

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Steve kuhn / The october suite(Impulse)
’66 10月録音

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November 20, 2005

Peter Erskine / Live at Rocco

live_at_rocco

Peter Erskine(ds)、Alan Pasqua(p)、Dave Carpenter(b)のトリオによるライブアルバムだ。
Roccoというジャズクラブでの演奏。
’99 10/21,22ってあるから、6年前であるけれど、Eric von Essenへ捧げられた3枚のオムニバスアルバムも、ちょうど、その頃録音されている。

Erskineは、ECMでJohn Taylor(p), Palle Danielsson(b)と4枚のアルバムを発表している。
このトリオは僕の大好きなユニットの一つ。
Vince Mendozaの沢山の曲、William Waltonの”Touch her lips”など、きれいで優しい曲を演奏する一方で、
きれいな建築を見ているような、公差もなく一分の隙もないアブストラクトな曲も演奏する、
また、いつもしかめっ面のPalleの顔がすぐ頭に浮かぶ、“Palle’s Headache”、そんなユーモアのある曲もあった。
とてもバランスの良いバンドだったと思う。

最後(であろう)4枚目Juni(’99のリリース)は、特に冷たい部分を強く感じるアルバムだった。
よく言えばECMのリリシズムの結晶のようなアルバムであり、統一感もあるのだが、
全体的に凹凸がないモノトーンの印象で、僕はインパクトをそれほど感じなかった。

Juniの録音が終わって暫くして、Erskineはこの新しいトリオでの活動を開始している。
Erskineは、Juniで”ECMらしさ”を完成させてしまって、新しいことを求めたのかもしれない。

Pasqua、Carpenterのトリオは、ECMトリオと比較すると、頭でっかちの部分が少なく、温かみがある雰囲気。
もっとも、ECMトリオのライブビデオはErskineのレーベルFuzzy musicからリリースされており、CDでは見られなかった陽気な面が認められる。
メンバーはともかく、Erskineは躍動感、陽気さ、温かさを演奏する場を求めていたのかも。

この2枚組みのCD、1枚目(west sideだって)8曲、2枚目(east side)7曲、全体で2時間以上の録音だけれど、最後まで飽きずに聞くことができる。
手に入れて2週間、このCDはどこでも一緒。仕事に行き帰り、昼休み、犬の散歩、家で仕事しているとき...今も。

僕にとっては、頭でっかちで無い、分かりやすさが、一番かもしれない。
シニカルな部分もないし、ずっと気分良く聞ける。
昨日は、夕方近くの公園を犬と散歩しながら聞いてたのだけれど、青い空、日が落ち始めると急に暗くなり、家に電気がつき始める…そんな風景によくマッチしてた。
ちょっと、前を見ると、ワンコが尻尾フリフリ歩いていて、より気分が良く。

このアルバムは、センチで切ないものが、やたら多くて、3人の演奏はそれをより強いものにしている。
でも、悲しい気分ではなく、どちらかと言うと幸せな気分になれる。
・・・あんなこともあったけれど、いい思い出じゃん、みたいに。
センチなピアノって言うと、僕はHerschを思い出すけど、比べるとPasquaは全然棘が無い。
また、感情移入の点でも、もう少しサラッとしているのかな。客観的と言うか・・・
だから、聞いてても上のような気分になれるのかも。

全15曲のうち、スタンダードはイエ~イなAll of youのみ。
Pure & Simple, BulugariaなんてECMトリオの有名曲も演奏されているのも、うれしい。

Dave Carpenterは、今までそれほど関心持っていなかったけれど、強靭なベースを弾くなあ。
大好きなベーシストとは違うけれど、ベーシストのあるべき姿を凝縮したような人。
ベースを勉強するにあたっては、参考になりそう。
(僕の場合は、ただ、いいなあ、上手いなあと思うだけなんだけど。)

PS Fuzzy music、もう少し装丁に凝れば良いのに。
Live at Roccoも、この後のBadlandsも、ジャケのデザインがチープ。
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Peter Erskine / Live at Rocco (Fuzzy music)
’99 10/21, 22録音

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September 07, 2005

ぐらんぐらん Marc Copland & Greg Osby / Round and Round

round_roundCoplandは最近リーブマンとアルバムを作っている。(lysisさんがインプレ書いてる)
リーブマンって、ほら、チャーミングじゃない。情熱的な人で、シャイなんだと思う。リスナーあっての演奏って感じがする。
一方のCoplandの演奏は、一切の照れも無いし、ひたすら、内に篭った演奏。
リーブマンとCoplandのduoは、違った個性が上手く調和しているように、想像するのだけれど、どうだろう。
・・・これも聞いて見たいなあ。

今日、コメントを書くこのアルバム。Marc Copland(p)とGreg Osby(as)のデュオ。
とっても、ゆる~く廻るメリーゴーランド。乗ったこと無いけれど、そんな気分だ。
実際だったら、1周で確実に酔ってしまいそうだけれど、きっと、これは夢の中。
ぐらんぐらん、ぎりぎりに気分が良い。
ナイトキャップ代わりに聞くのに、ちょうど良い1枚。…変な夢を見る確率は非常に高いけれど。

OsbyとCoplandの音楽性は近いとは言えない。
非常な乱暴な言い方をすると、それぞれ黒い音楽と、白い音楽。
でも、性格的に似たものがある。・・・ネクラ。
アグレッシブに熱い演奏をするのだけれど、いや~に冷たい感触のOsby。
謎のフレーズを、オルゴールのように連発するCopland。
それに触発されて、一緒に謎の世界に行ってしまってるOsby。
きっと、二人は、初共演と思うのだけれど、意気投合したのだろうな。

曲は全9曲。Osbyの作曲3曲、Coplandが5曲、それにEndingを飾るEasy Living。
中々良い、バランスだと思う。

変則(変態)ブルース的な形式の2曲目Baloonman、
メロディからすると、コルトレーンカルテットが湯気出しながら演奏しても良さそうな6曲目も面白い。

僕が特に好きなのは3曲目のぐるんぐるんな曲、Round she goes。
ちょと切ないメロディを吹くOsbyに、オルゴールのようなハープのような不思議なCoplandがまとわりついている。
なんて、変なピアノの音なんだろう。低音のダンピングしたような、ミュートしたような音。
そらから、訳の分からない謎のソロ。無意識に、こういうフレーズが出続けるのかしら。

Paul Bleyも、Franco D’Andoreaも困ったちゃんなピアノを弾くけれど、可愛げあるかも。
後テーマに続く、長いエンディングがなかなかの聞きもだと思う。
最後の最後に出てくるOsbyの”だったたタ~“って言うお得意フレーズの違和感がたまらんし、
フェイドアウトせず、きちんと終わるところも。

4曲目Mentor’s praiseはFurther adoにも収録されており
(praiseでなくproseとなっている。proseが正しいんだろうな)、嬉しい再演だ。
Jason Morranのピアノと比較するのも面白い。

次の5曲目はCopland作曲のとんでもなく美しいワルツ。
アルトの良さが分かってきたのは、最近なのだけれど、Osbyの歌い上げ方が素晴らしい。
いいなあ、アルトって。
ちょっと抽象的な主メロと、とてもメロディックなサビのコントラストもいい。
この辺りの中盤部分が、特に聞き所だと思う。

Osbyらしい7曲目Copiousを経て、8曲目はCopland作曲のDeed-lee-yahと、最終曲Easy Living。
アルバムの中ではノーマルでハッピーなテーマをもつ2曲。
二人とも、そこそこ?楽しいソロを演奏している。
布団の中で聞いてて、ここまで起きていられたら?…きっと良い夢を見られるかも。

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September 03, 2005

どんな音? The music of Eric von Essen vol.1~3

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Eric von Essenを知っている?
僕は、2年くらい前から、彼の音楽が好きなのだけれど、彼自身の演奏は聞いたことが無い。
‘54年生まれ、’97に母国スェーデンで亡くなっている。
LAを中心に活動していたベーシストだ。

僕が、このCDをを見つけたのは、やっぱり?ウニオンのアウトレットの箱の中。
ぐいっと心がわしづかみされるような、妙に魅力的なジャケット。
オムニバスなのだけれど、Alan Pasqua, Peter Ersikin, Alan Broadbent, Dave Carpenterらの名前。
他は知らない名前ばかり。

ライナーノーツを読むと、
Alex Clein(ds), Nels Clein(g), Jeff Gautheir(vln)とEricの4人編成の“Quartet Music”が、
Ericの人生で核となった活動のようだ。
アコースティックな楽器を中心とした、このバンドOregonと比較されたことも多いようだけれど、
Alex Cleinによると。Oregonのように牧歌的ではなく、エッジが効いた都会的な雰囲気、
暗い雰囲気、複雑な構成、それでいてロマンチックな感触を兼ね備えた音楽だったらしい。

Milesの60年代クインテットの影響を受けたという、このバンドを続けながら(11年間)、
Ericは、Art Farmer, Bob Brrokmyer, Jimmy Rowlesのような比較的伝統的なジャズを演奏する人達とも
共演をしていたとのこと。

この3枚のアルバムは、Ericの100以上の作曲からチョイスしたもの。
彼が、非常に多様な音楽を演奏していたことが分かる。

50年代のバップの雰囲気をもった曲から、エッジが効いたアグレッシブな曲、
それから、とろけそうに耽美的な曲。
底抜けに明るい曲は無いかも。でも、共通しているのは、美しいメロディ。
Ericが、単の雇われベースでなく、大好きな音楽を作り出したことが想像できる。

3枚のアルバムとも、ほぼ同じような構成だ。

 1)Alex Clein(ds), Nels Clein(g), Jeff Gautheir(vln), Micheal Elizondoのカルテット
 2)Nels, Alex, David Witham(p), Joel Hamilton(b) のカルテット
 3)Peter Erskin(ds), Alan Pasqua(p), Dave Carpenter(b)のトリオ
 4)Alan Broadbent(p), Putter Smith(b), Kendall Kay(ds) のトリオ
 5)Larry Koonse(g)が参加したホーン入りのコンボ。
 その他、Kate McGarry(vo)の参加した曲なども。。。

1)は、おそらくQuartet Musicを再演したもの。ここではNelsはアコースティックgを弾いているが、
2)ではエレクトリックgを弾いている。
3)、4)はともにトリオだけれど、人選からも分かるように3)の方が、やや耽美的な雰囲気。
5)は、こんなオムニバスでなければ、積極的に聞かない音楽かも。でもメロディも演奏も良いと思う。

このアルバムでの最大の収穫は、Nels Cleinと言うギタリストを知ったこと。
ちまたでは、世界で一番危険なギタリストなどと言われているらしいが、
あるときは繊細、ある時は非常にアグレッシブ・・・今や僕のお気に入りのギタリストの一人だ。

3枚全部で30曲もあるため、各曲についてのコメントを書いても、しょうがない。
僕が特に好きなのは、Nelsが参加した全曲、Alan Pasquaが参加した全曲、他にも色々。
Alan Pasquaはポストカード盤が、自分には今ひとつだったので、こんなに良いことが意外だ。

3枚を比べると、Vol.3がより内省的な雰囲気がする。
ラストにAlanらによって演奏されるFlicker and Burnは、ちょっと凄すぎて、せつなすぎて、
僕には表現できない音楽。

おまけの2枚の写真は、おそらく?天井を見つめるEric、
それから、Ericが好きだったという昔の漫画Krazy Katzの彼自身の描画(ノートの端に書かれていたらしい)。

Ericのベースの音色、音質、メロディ。早く聞きたいと思いながら、既に1年以上経っている。
どんな音なんだろう。

*今でもウニオンで、このCDはびっくりするような値段で売っているのを、見かけます。
  もしも!興味を持った方は、ウニオンにお出かけください。

Eric4Eric5

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August 23, 2005

久し振りに聞くデュオアルバム2枚

up__downnight__city
Charlie Haden /Night and the city (Verve)
Milcho Leviv/ up & down (M・A Recording)
前者はCharlieとKenny Barronの人気盤。後者はMilchoとDave Hollandの渋い?アルバム。
共に聞くのは1年以上振り。

Charlieは一頃の僕のアイドルだったのだけれど、
ゆったりした音選びの影に、とても神経質なものが感じられるようになった。
変なもので、とても優しく聞こえていた音楽が素直に入ってこなくなる。

一方のDave Holland。妥協を許さない演奏スタイルが鼻について、どちらかと言うと苦手なタイプ。
当然?このアルバムもデュオアルバムだから買ったのだけれど、殆ど聞かないで、放ったらかしだった。

今回は、聞きたいアルバムが無い為、たまたま選んだのがup & down。
それがあまりに良いのに驚き、次に聞きたくなったのがnight and city だった。

音楽は先入観で聞いてはいけないと言うのが1つ。
あまり細部にこだわって、嫌いなところを探し出すような聞き方も良くないなと言うのがもう一つ。
今さらだが、当然なことを感じた2枚だ。

Charlieの神経質な部分は、たまたま自分の同様なところと、シンクロして強く感じたのかもしれない。
(普段はB型丸出しですが)
優しいところ、ナイーブな部分、エキセントリックな部分(書き方が悪い?)、色々なところが複合されて、
それから、その日の彼の気持ち、環境が複合されて、彼の音楽が作られるのだから、
1点だけを注視するのは、バカみたいなものかもしれない。
このアルバムでも、Charlieのソロは僕としては、あれって、ところもあるけれど、
絶妙なバッキングはとても堪らない。全体でみれば、やっぱり、いい音楽と思う。

もし、リスナー(私)の気分が合わなければ、どうして?なんて思わないで、
その場は聞くのを止めるのが一番だ。きっと。

一方のDaveとMilcho 。
Daveの鬼のようなプレイもスリリングだけれど、
僕はユーモラスなスローブルース(テーマがチャーミング)のup & down, 静かなワルツCavatinaに、惹かれた。
鼻につく演奏??全然、そんなんじゃなかった。
ちょっと、素直に聞かないとなあ。
もちろん、高速4ビートなんかは、すかしてるなあ、って感じはするけれど。

いずれにしろ、duoっていう演奏形態。好きだ。
もっと、色んな良い演奏を探したい。

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August 14, 2005

Terence Blanchard /the heart speaks

ivan


'95に録音されたTerence Blanchard と Ivan Linsによる Ivan Linsの作品集。
買ってから随分経つけれど、たまに聞きたくなるCDだ。

TerenceはDonald Harrisonとの双頭バンド、malcom xに捧げたアルバムなどの印象が強く、
二人の作る音がどんなものか想像することは難しかった。

第1印象は、Terenceのグラマスな音色は洗練されたIvan Linsの曲に、強すぎて、全然合わないなあ…。
それが単純に気持ち良いものになったのは、おそらく1年以上経ってからかもしれない。

嗜好の変化と言うより、素直に音を受けとめるよう耳が成長したのかな。

非常に異なる個性が、歩み寄ることなく、上手く調和しているのが面白い。
ライナーノーツでは二人が、それぞれの印象を書いている。
IvanのコメントThe kid from Tijuca meets the kid from New Orleans.が、このアルバムの良さを象徴している。
想像できるようにTijuca 、New Orleansは二人が育った故郷だ。

Galopeと言うリズムで演奏される12曲目Meninoはkidsって意味。
いたずらっこ達が元気一杯で遊んでいるようで、楽しい。
子供って排他的な面もあるかもしれないけれど、本質は外観、中身を含め、異質を認める生き物と思う。
Ivanのコメントを読んで、このアルバムを聞いて、そんなことも感じた。
子供らしい気持ちが、このアルバムの成功につながっている。。。のかな?

全13曲、Terenceが選曲に苦労する姿が頭に浮かぶ。全て、いい曲だ。
Ivan Linsは本当に良いメロディメーカーだ。

4 ~6曲目のジャズテイストの強い中盤が、特に気にいっている部分。
4.Valsa mineria、5.The heart speaks、6.Congada blues。
Valsa mineriaはtpと、voiceによるユニゾンが、穏やかな出航を思わせる。
とても、気持ちよく、平和な気分。
5曲目は、Ivanが奥さんに捧げた、とっても、とってもキレイなバラード。
夕焼けの中(それも真っ赤な)で聞きたいなあ。
6曲目は、IvanがMilesに捧げた91年の作品。
Milesはこの曲を気に入ったのだけれど、演奏する前に亡くなってしまった(’93)。
Milesが好んだ曲を演奏できて、うれしいって、Terenceも言っている。
Congada(African rootsって意味)という、ちょっと勇ましい雰囲気のリズムでの演奏。
早めの4ビートへの突入部分が、スリリング。

他の曲も、みんな良い。例えば、底抜けにハッピーな9曲目等々。

この二人、またアルバム作りたいって・・・楽しみだ。(もう10年経ってるぞ。)


Ps Ivanと言えば、今やっているVo入りバンドで、Love danceを昨日リハ。
  いい曲だねえ。
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Terence Blanchard /the heart speaks(Columbia)
Terence Blanchard(tp), Ivan Lins(vo,p)
Pauliho Da Costa(per), Oscar Castro Neves(g), Edward Simon(p)
David Pulphus(b), Troy Davis(ds), David Bohanovich(cello), Fred Zltokin(cello)
’95 8月録音


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