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April 01, 2006

Kenny Wheeler/all the more

All_the_more








Kennyの沢山の名作の中でも大好きな1枚だ。
John Taylor, Frio Di Castri , Joe Labarberaのワンホーンカルテット。
Kennyはジャズ史上の中で群を抜いて良い作曲家であるけれど、曲に対する愛も感じる。
彼は愛奏曲が幾つもあって、何度も録音をしているし、タイトルのつけ方も。
Everybody’s song but my own, このアルバムにも収録されている、Introduction to no particular song, Phrase one,
それから、色々な人に捧げられたと思われる For ○シリーズ。(For H, For Jan, For P.A)…
Gentle Piece, Green Piece, Little Suiite….
なんとも、はにかんだようなタイトルが多い。
はじめは、自信の裏返しで嫌味、などとも感じたのだけれど、本当に奥ゆかしい人なんだろう。

イタリアのSoul Noteでの録音、地元を代表してFrio Di Castriが参加。
CastriとKennyの競演は、これだけかしらん??
JTと、CastriはContos(Egea)が、パッと頭に浮かぶけれど、他にE. Rava/Secrets (Soul note)なんてのもある。

このアルバムではKennyの6曲と、Joe Labarberaの1曲と、スタンダードのSummer nightが演奏されている。
皆良いメロディなのだけれど、難しい(そうな)曲ばかり。
ちょっとテンポ的にも煮詰まりそうな予感をさせる場面もあるのだけれど、全体的に素晴らしい出来上がりだと思う。

このバンドは、特にリズム隊が素晴らしいと思う。(ちょっと、dsがうるさすぎると、感じる時もある。)
各曲には、それぞれ素敵なイントロが用意されているのだけれど、
そこんとこを、ちょっと聞くだけでも、この3人のコンビネーションの良さを感じることができる。
もちろんKennyが入っているからこそ、素晴らしいのだけれど、イントロの部分、ピアノソロの部分…
このトリオだけで、聞いてみたい気持ちになってしまう。

曲順になぞっていくと(僕の知っている、他アルバムでの収録も紹介しつつ)…
1.Phrase one: Peter Erskine trio/ time beingでも収録された曲。
JTのメロディをなぞるイントロから、Castriのベースソロへ、それからテーマへ続く変則的な構成だ。
ちょっと中途半端と思えるテンポで、倍テン(ポ)になりそうでならない、微妙な演奏。

2.All themore: Foxi trotやLittle suiteに通じるリズムフィギアが、かっこいい。
こんなかっこえー!曲を作ってしまうのも、Kennyの魅力。

3.Mark time: ブレッカーが素晴らしい演奏をしているDouble doubule youに収録。
男性VoThierry Pialaがカバーしているし、Kenny,Paolo Fres, Norma WinstoneとのライブLive at Roccella Jonicaでの演奏も印象深い。感動的で雄大なテーマが、好きだ。自由奔放かつリリカルなJohnのイントロに、絡むLabarberaもウマイなあ。
Kennyのスンバらしいソロのあとの、誰のソロパートとも言えないトリオの演奏がすごい。はじめは浮遊感漂う、どっちつかずのリズムが倍テンて突入。上述Live盤にも負けない、火の出るようなJohnのソロに思わず、興奮。この前のNegriのアルバムでも書いたけれど、ここのCastriもVitous的。

4. Introduction to no particular song: Kenny、JT、それからcl奏者のGabriele MirabbasiのMoon(Egea)に収録。
こういう控え目なタイトルに、Kennyの名曲は多い。
Everybody’s songは、ちょっと食傷気味だけれど、この曲は暫く、イケそう。
とても、優しい雰囲気のワルツ。Castri, Kenny, Johnと引き継がれるソロ。いいなあ。
全体的に、Kennyがいる時は比較的タイトなリズムが、トリオになると思い切り自由度が高くなるのだけれど、その対比が面白い。

5. The imminent immigrant: おそらく初めて聞く曲。
タイトルは深刻な雰囲気だけれど、キャッチーで明るく、おしゃれな雰囲気。・・僕の耳が変なだけ?
Kennyのこういう曲って、簡単に出来そうじゃんって思うのだけど、煮詰まるんだよな、きっと。
Joeのds+Johnのコンピングが、いやに胸キュン。

6. Nontheless: Kennyの曲で一番好きな曲は?って聞かれたら、これ。
Nontheless(それにもかかわらず)って、タイトルも惹かれてしまう。ちょっと、ゆったり目ベースラインが印象的な5拍子。
Angel Song(ECM)では、Konitz, Frisell, Hollandの4人がこれ以上無いってくらいの枯れた演奏を聞かしてくれた。
ここでは、よりリリカルな演奏。

7. Kind of Bill: Kind of Blueさらには、Blue in greenを想像してしまうような曲名。
でも、ニヒルな部分は無く、胸キュンな可愛らしいミディアムテンポの4ビート。Labarbella、いい曲書くなあ。
Johnの素晴らしいイントロ(すべての曲に言える)の後、tp、pがルバートでテーマを演奏し、
インテンポでベースソロへ。1曲目目と似たような構成。

8. Summer night: Kennyの愛想曲らしいスタンダード。早めのテンポで熱い。最後を飾るにふさわしい演奏。

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Kenny Wheeler/all the more (soul note)
Kenny Wheeler(tp), John Taylor(p), Frio Di Castri(b) , Joe Labarbera(ds)
’93 10、11月録音

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