« ベース 8月末から9月中旬 | Main | 物欲の秋 »

September 18, 2005

もう1枚秋のアルバム Gabriele Mirabbasi & Stefano Battaglia / Fiabe

fiabe
もう1枚、秋になると聞きたくなるアルバムがある。
ボラのLes Fleurs Bleuersと同様、秋に購入したCDだ。
これも初めて聞いた時の印象が強烈だったのだけれど、、
ボラのCDのように、それが、秋の空気(日差し、温度、風…)と結びついたのではなく、
音楽そのものと、ジャケットデザインを含めた、トータルの作品として、秋の夜を感じてしまう。

ジャケットデザインはEGEAの典型的なものだけれど、その中でも特に美しいと思う。
満月と、可愛らしい花、その向こうは月の光に照らされた山かな?
(そう言えば、知人は全然違うモノと言っていた。)

このアルバム、Gabriele Mirabassi(cl), Stefano Battaglia(p)とのデュエット。
タイトルfiabe(fable)は寓話と言う意味らしい。うん、そんな感じがするかもしれない。
中古屋フリージャズのコーナーにあっただけのことはある。中盤5~7曲は多少、抽象的な展開。
でも、他はとても美しいメロディのオンパレードだ。

Battagliaは、イタリアを代表する若手ピアニスト。
Danilo Rea, Stafano Bollaniと同じくらい好きだけれど、この二人と比べると、よりアーティステック。
とてもクールで、完璧主義者的でもあり、彼が演奏しているのは、
遊びを排除した音楽、極限の美しさを求めた音楽だと思う。
僕が気になるReaもBollaniも、あとEsbjorn Svensson等、多くのピアニストが、
自分の音楽に70、80年代のポップスの影響を見せているのだけれど、Battagliaの音楽には、それが無い。

Mirabassiも、Battagliaと似たテイストをもった音楽家だと、僕は思う。
とにかくクラリネットの音が美しい。出てくる音列も美しい。
僕が今まで聞いた音楽の中では、この楽器が必要以上に、きしんだ音で鳴っていることが多かったのだけれど、
Mirabassiは、おそらく楽器が持つ最高の音を出しているのだと思う。
(Mirabassiをきっかけに、Mauro Negri, Michel Moore, Gianlugi Torovesiのように世の中には素敵なcl奏者が沢山いることを知った。)

こんな、極限的な美意識を持つ二人のデュエット。
僕が聞いた音楽の中で、最も美しく、研ぎ澄まされたものだと思う。
(質が違う美しさは沢山あって、Shorterも、ボラも、Kennyも、
その手の音楽では、一番美しいのだけど。…いい加減です。)

演奏される曲は、書き譜の割合が、一般的なジャズに比較すると大きいかもしれない。
この二人は、多くのジャズアルバムに参加しており、インプロヴァイザとしての高い能力は周知の通り。
とても美しい音楽を創るための、一つの手段として、書き譜を多くしたのだろうと、想像できる。
* BattagliaがKonitzと組んだItalian Balladsは、方法論としては、ごく普通のアルバムだけれど、
 とっても美しい。色んな美しい音楽が、色んな手法で創られるのだよなあ。

ゆったりとした静かなピアノのアルペジオの上で、クラリネットとピアノが淡々と主旋律を歌い上げる1曲目 Kiem。
一転して、アップテンポで、少しキャッチーなメロディの2曲目のMattino。
少しシニカルなで、夕焼けをみているような気分になる3曲目 Mereth Becky。
パーッカシブなBattagliaのピアノとMirabbasiのバスクラがスリリングな、4曲目Saltarello。・・・・

本当に不純物の一切入ってない音楽だと思う。
Egeaのアルバムは、ジャケと中身の音楽がよく一致しているけれど、このアルバムも良い例。
1曲目をちょっと聞くと、不思議な魅力的なジャケットが頭にすぐ浮かぶし、
逆にジャケットを見れば、1曲目のとてもキレイなメロディが頭の中を流れてくる。

==========================================
Gabriele Mirabbasi & Stefano Battaglia / Fiabe (Egea)

|

« ベース 8月末から9月中旬 | Main | 物欲の秋 »

Comments

お邪魔します。いつも、ご挨拶は「ご無沙汰しております」です。

このアルバム、ジャケットからステキですよね。
満月を囲む緑の夜空が私はいつもー最高ぉ!-と思ってしまいます。(だって普通夜空は深いブルーか黒ですよね)
寓話という意味のタイトルだったのですね。
私はこのアルバムを聴くと必ずフランスのエリック・ロメールの幾つかの映画を思い出します。
面白いですよね。彼の映画には音楽は無いのに
このアルバムの曲を聴くとロメールの映画を思い浮かべるなんて・・・。
でも、やっぱり思い浮かべてしまいます。
クラリネットの音色、素晴らしいです。

なんだかいつもピントのずれたコメントでごめんなさい。
ホント、音楽の事、表現出来なくて・・・。

Posted by: Mercedes | September 20, 2005 12:38 a.m.

Mercedesさん 
こんばんわ。
がさつな私は、空の色なんて気がつきませんでした。
本当だ。緑だ。
でも、緑の夜空って、そんなおかしくないかもね。

エリック・ロメールの名前は知りませんでした。
今調べたら、海辺のポリーヌって邦題だけ、聞いたことがあるような気がします。
ああ、こういう話ももっと、したいけれど、全然映画見てないからな。

EGEAの数枚、暫くしたら来ると思います。良かったら、ここで、また紹介しますね。

PS 万華鏡の記事、読みました。
きれいな写真でした。
僕も好きです。家の中にも、数個ころがってます。

Posted by: しぶちゃ | September 21, 2005 12:23 a.m.

このジャケットについてなんですが、
マックス・エルンストの「完全な都市」
(Max Ernst,La ciudad completa)
ではないかと思ってるんですがどうでしょうか。

Posted by: 宵藍 | March 14, 2006 03:40 a.m.

宵藍 さん、はじめまして。

良いお名前ですね。
やはり、EGEAのファンでいらっしゃいますか?
ジャケットを見てみましたが、Max Ernstの名前は見つかりませんでした。

ネットで少し探してみましたが、確かに作風は同じ感じですね。
EGEAのジャケット好きなものが多いですが、これはピカイチです。

Posted by: しぶちゃ | March 14, 2006 11:40 p.m.

どうも、挨拶が遅れました。宵藍と申します。EGEAは大好きです。
その中でもFiabeは一番最初に聞いた一枚で、
言葉にならない衝撃受けまして、それ以来のトリコです。
好きな盤というとContos、Nausicaa、Sotto La Lunaなどでしょうか。
音楽性もさることながらジャケットのデザインのよさも魅力ですね。
幻想的な絵と黒地がすばらしく合っていると思います。

Posted by: 宵藍 | March 15, 2006 04:10 a.m.

宵藍さん
こんばんは。EGEAいいですよね。
僕は記憶が定かでないですが、最初はContosだったと思います。
でも、レーベルカラーを意識したのは、Bebo Ferraが参加していたIsole。
これで、このレーベルにはまりました。
もっとも、トラッドすぎて(おそらく?)、全然聞かないのもあります。

Fiabeの「言葉にもならない衝撃」…同感です。
MirabassiもBattagliaもすんごいですよね。とっても美しい。

名作率が、非常に高いレーベルですが、ずっと頑張ってもらいたいです。
宵藍さんの挙げた中では、Nausicaaは未聴です。ピエラヌンチのかな?

絵は詳しくないですが、ジャケの話も大歓迎です。
ContosとかPhoneとか、謎なのも、多いですよね。
おそらく、元の絵は細長では無いと思うんですが、それを大胆に切り取る、
窓から覗いているような感じでもあるのですが、うまいですよね。
最近のジャケではNew old ageがお気に入り。

また、お暇な時に遊びに来てください。
ではでは。

Posted by: しぶちゃ | March 15, 2006 11:41 p.m.

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference もう1枚秋のアルバム Gabriele Mirabbasi & Stefano Battaglia / Fiabe:

« ベース 8月末から9月中旬 | Main | 物欲の秋 »