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August 28, 2005

深せん マカオ 香港

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夏休みがやっと取れて、家族3人で旅行に、行ってきた。
アジアの国は初めての体験。
食べ物とショッピングばかりでは?と心配していたのだけれど、面白い旅行だった。
(格安ツアーお決まりのショッピングには辟易したけれど。)
夏休み終盤であったのか、僕達3人だけのツアーだった。

深せん、マカオ、香港、それぞれのガイドさんとも、多少プライベート的なことも話ができたのは、
多分僕だけでなく、子供にも有益だったと思う。
3人とも、強い個性の持ち主だった。
話の節々に、「私はこう思う。こう考える。」という部分が現れる。

身近な所では、自分の会社も、中国と強い繋がりが出来つつあるのだけれど、
この国のことを何にも知らない自分が、恥ずかしかった。
地域における大きな格差があり、また同じ地域であっても大きな貧富の差がある。
これは、中国政府がコントロールした結果だとのこと。
でも深せんのガイド氏は、中国という国が、混乱無く、リスクも少なく発展していくためには、
受け入れるしかないことと言っていた。
彼は、3級都市の戸籍・・・それを取るのも相当苦労した・・・しか持っていないため、
海外に出ることも難しく、深せんでは、自動車の免許取得も結婚も許されていない。
例えば北京などの大都市で彼が生まれたら、違う人生を歩んだのかもしれない。
でも、28歳の彼は、「環境は変わるし、自分も新しい環境を作るよう、頑張っているのだ。」と。

一方、マカオ、香港のガイド達は、
・・・自分達は、中国人では無く、マカオ人、香港人だと言っていた。
もしかすると、中国への返還後の優遇政策に、多少の甘えを感じているのかもしれない。
しかし僕は、とんでも無い格差と、非常に早い時代の変化の中で生きている、力強さを彼女達に感じた。

たった1日づつの、付き合いだったけれど、朝から晩まで、
楽しい時間、有益な時間を作ってくれた、彼、彼女達に感謝したい。

<写真>
①深せんでは、約300人が出演するナイトパレードを鑑賞。
 多量の火薬、火、多くの動物達・・・
 1時間以上のショーは日本では考えられないくらい立派で、迫力があるものだった。
 また、出てくる女性達の美しいこと(間近で見たので、ホント)。夢のような世界だった。
②マカオは、ヨーロッパの趣きのある建物が多く、また行ってみたい町。
③香港では、オープントップの2階建てバスで市内観光。
ハリーポッターの伸び縮みするバス、またはトトロの猫バスの気分。

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August 23, 2005

久し振りに聞くデュオアルバム2枚

up__downnight__city
Charlie Haden /Night and the city (Verve)
Milcho Leviv/ up & down (M・A Recording)
前者はCharlieとKenny Barronの人気盤。後者はMilchoとDave Hollandの渋い?アルバム。
共に聞くのは1年以上振り。

Charlieは一頃の僕のアイドルだったのだけれど、
ゆったりした音選びの影に、とても神経質なものが感じられるようになった。
変なもので、とても優しく聞こえていた音楽が素直に入ってこなくなる。

一方のDave Holland。妥協を許さない演奏スタイルが鼻について、どちらかと言うと苦手なタイプ。
当然?このアルバムもデュオアルバムだから買ったのだけれど、殆ど聞かないで、放ったらかしだった。

今回は、聞きたいアルバムが無い為、たまたま選んだのがup & down。
それがあまりに良いのに驚き、次に聞きたくなったのがnight and city だった。

音楽は先入観で聞いてはいけないと言うのが1つ。
あまり細部にこだわって、嫌いなところを探し出すような聞き方も良くないなと言うのがもう一つ。
今さらだが、当然なことを感じた2枚だ。

Charlieの神経質な部分は、たまたま自分の同様なところと、シンクロして強く感じたのかもしれない。
(普段はB型丸出しですが)
優しいところ、ナイーブな部分、エキセントリックな部分(書き方が悪い?)、色々なところが複合されて、
それから、その日の彼の気持ち、環境が複合されて、彼の音楽が作られるのだから、
1点だけを注視するのは、バカみたいなものかもしれない。
このアルバムでも、Charlieのソロは僕としては、あれって、ところもあるけれど、
絶妙なバッキングはとても堪らない。全体でみれば、やっぱり、いい音楽と思う。

もし、リスナー(私)の気分が合わなければ、どうして?なんて思わないで、
その場は聞くのを止めるのが一番だ。きっと。

一方のDaveとMilcho 。
Daveの鬼のようなプレイもスリリングだけれど、
僕はユーモラスなスローブルース(テーマがチャーミング)のup & down, 静かなワルツCavatinaに、惹かれた。
鼻につく演奏??全然、そんなんじゃなかった。
ちょっと、素直に聞かないとなあ。
もちろん、高速4ビートなんかは、すかしてるなあ、って感じはするけれど。

いずれにしろ、duoっていう演奏形態。好きだ。
もっと、色んな良い演奏を探したい。

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August 21, 2005

ベース 8/13、8/14、8/16

<8/13 リハ>
Kennyさん、さっちゃんとのトリオのリハ。
デモテープを作ろう!という意気込みで。
曲は、今までのもの中心であるけれど、Ivan LinsのLove Danceをやってみた。
僕は、初めてだけれど、いい曲だなあ、これ。
さっちゃんのVoは、とても良いのだけれど、彼女の意向で9月に録り直しすることに。

<8/14 レッスン>
僕の都合でキャンセル。師匠との都合が、暫くつきそうもない。はあ。

<8/16 セッション>
さっちゃんがお休みのため、Kennyさん(p)と、彼の友達のdsのTさんとのトリオで。
生音であるため、軟弱ベースの私にはds入りは辛いところ。
でも、Tさんは、その辺を心得ており、音量バランスも、そこそこだったかも。

Kennyさんとはやり慣れている、All of you, How deep is the ocean?などをメインにした選曲。
ハバードのUp jumped spring、とてもゆっくりなVery earlyなどワルツもの、
Sky larkなどバラードものが、自分としては、まあまあだと思った。
2セット目以降は、dsが入ったことで頑張りすぎて、集中力の欠ける演奏に。…毎度ながら反省。

2年以上前に共演したピアノのTさんを客席に発見。
美メロの好きな、素敵なピアノを弾く人で(Touch her lips and partsを初見で、とてもキレイに
演奏してくれたのが印象深い)、近くduoでやってみようか、なんて話になった。
ベースに僕を指名してくれたのも嬉しいし、ちょっと楽しみが増えた。

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Peter Erskin / As it is

asitis


Peter Erskin(ds), John Taylor(p), Palle Danielsson(b)のトリオの3作目。
なんとも言えない、きれいな青い布地をジャケットにしたアルバム。
アースキントリオのアルバムは、甲乙が付け難いのだけれど、一番の名盤と思う。
分かりやすさから言うと、Vince Mendozaの曲が多く取り上げられている、You never knowを
選んでしまう。事実you never…の方が、聞く機会が多いのだけれど。

買ったキッカケになったのは、10年くらい前のJazz life誌での特集記事だった。
アースキンと言えば、Weather Reportでの活躍しか知らず、「その人がECMでねえ」、
みたいな印象だったと思う。

当時は、それほどヨーロッパなジャズを聴かず、BNが一番と信じていた頃であったので、
Johnも、Palleも、それほど気にしていなかった。
(Palleは、キースやペトとの共演で、結構好きだったけれど。)
興味がひかれたのは、確か「William Waltonって人のクラシックの曲を取り上げたんだ」ってコメントだった。
何故か分からないのだけれど、出張帰りの六本木のWaveでこのアルバムを手に入れた。

John Taylorによる建築的な?構造的な?美しさを持つ作品群と、
耳に心地よい、とろけそうなメロディの作品群が、バランス良く含まれたアルバムだ。
最初は、後者の美メロ、The lady in the lake(P. Erskin), Espenca (Vince Mendoza),
Toch her lip and part(William Walton)の3曲ばかりを聴いていた。

他の曲の素晴らしさ、アースキンのdsの素晴らしさ、このトリオの素晴らしさを理解するには、
ちょっと時間が掛かったように思う。
でも、このアルバムをキッカケに、聞く音楽の間口が広がったことは、間違いない。

幾つかの曲についてコメントすると、

M6 Touch her lip and part
 このトリオと言えば、まずこの曲が頭に浮かんでしまう。
 とても、ゆるゆるのワルツで演奏される、美しいバラード。
 一番美しいジャズは?って聞かれたら、迷わず、この曲を示すなあ。

 JohnはHadenとのDuoアルバムでも演奏しているし、ベーシストのTerje Geweltも
 名盤Dualityで取り上げているけれど、これに勝るものは無いと思う。

M5 Esperanca
 Vince Mendozaを初めて意識した1曲。
 通常のジャズチューンと異なる構成だが、難しい構成では無い。
 ラストのdsソロで使われるリズムパターンが、中途で現れれるが、とてもキュート。
 その後のJohnのソロも牧歌的で好きだ。

M1 Glebe Ascending
 John Taylorらしさが良く出た曲。
 イタリアの歌姫Maria Pia Devitoを核としたRalph Towner、Johnとのトリオでも、
 取り上げられていた。そこでのタイトルはNova luce(a new light)。
 3人の演奏は、とても淡々としたものだけれど、すんげーな、と思う(表現できない)。
 後テーマでの、パレの高音部を使った伴奏、アースキンのフィルインなど、どこまで事前に
 作りこまれたものか分からないけれど、素晴らしい。
 M4, M5などもJohnの作曲だけれど、パレのベースの使い方が、とても上手いと思う。
 同世代のテクニックのあるベーシストは沢山居るけれど、こんなにマッチはしないだろう。

‘92にYou never knowがリリースされて、2年毎にTime beingと、As it isが、
そして’99にJuniを発表して、このバンドの活動はストップしてしまっている。
JohnのECMでの最近作は、Marc Johnson、Joey Barronとのトリオ。

もう、活動停止と見るべきとしたら、残念。

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Peter Erskin / As it is (ECM)
Peter Erskin(ds), John Taylor(p), Palle Danielsson(b)
’95 録音

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August 20, 2005

COMIC BATON

オラシオさんのブログを読んでいたらcomic batonって記事が
ちょうど漫画について書こうと思っていたところだった。

高校くらいまでは、漫画ばかり読んでいた。最近は新聞の4コマしか触れていなかったけれど、
今年になって買った漫画はおそらく20冊近いかも。殆どが昔、読んだもの。
買い始めたきっかけは、新聞の書評であったり、お気に入りのブログ(lysisさんとこ…大島弓子、楳図)の記事であったり。

音楽と同じで、それに接した頃の雰囲気がさーと漂ってくる。
それが、なんとも言えない気分。
暫くは、昔読んだものを中心に少しずつ、増えて行きそうな予感。

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August 14, 2005

Terence Blanchard /the heart speaks

ivan


'95に録音されたTerence Blanchard と Ivan Linsによる Ivan Linsの作品集。
買ってから随分経つけれど、たまに聞きたくなるCDだ。

TerenceはDonald Harrisonとの双頭バンド、malcom xに捧げたアルバムなどの印象が強く、
二人の作る音がどんなものか想像することは難しかった。

第1印象は、Terenceのグラマスな音色は洗練されたIvan Linsの曲に、強すぎて、全然合わないなあ…。
それが単純に気持ち良いものになったのは、おそらく1年以上経ってからかもしれない。

嗜好の変化と言うより、素直に音を受けとめるよう耳が成長したのかな。

非常に異なる個性が、歩み寄ることなく、上手く調和しているのが面白い。
ライナーノーツでは二人が、それぞれの印象を書いている。
IvanのコメントThe kid from Tijuca meets the kid from New Orleans.が、このアルバムの良さを象徴している。
想像できるようにTijuca 、New Orleansは二人が育った故郷だ。

Galopeと言うリズムで演奏される12曲目Meninoはkidsって意味。
いたずらっこ達が元気一杯で遊んでいるようで、楽しい。
子供って排他的な面もあるかもしれないけれど、本質は外観、中身を含め、異質を認める生き物と思う。
Ivanのコメントを読んで、このアルバムを聞いて、そんなことも感じた。
子供らしい気持ちが、このアルバムの成功につながっている。。。のかな?

全13曲、Terenceが選曲に苦労する姿が頭に浮かぶ。全て、いい曲だ。
Ivan Linsは本当に良いメロディメーカーだ。

4 ~6曲目のジャズテイストの強い中盤が、特に気にいっている部分。
4.Valsa mineria、5.The heart speaks、6.Congada blues。
Valsa mineriaはtpと、voiceによるユニゾンが、穏やかな出航を思わせる。
とても、気持ちよく、平和な気分。
5曲目は、Ivanが奥さんに捧げた、とっても、とってもキレイなバラード。
夕焼けの中(それも真っ赤な)で聞きたいなあ。
6曲目は、IvanがMilesに捧げた91年の作品。
Milesはこの曲を気に入ったのだけれど、演奏する前に亡くなってしまった(’93)。
Milesが好んだ曲を演奏できて、うれしいって、Terenceも言っている。
Congada(African rootsって意味)という、ちょっと勇ましい雰囲気のリズムでの演奏。
早めの4ビートへの突入部分が、スリリング。

他の曲も、みんな良い。例えば、底抜けにハッピーな9曲目等々。

この二人、またアルバム作りたいって・・・楽しみだ。(もう10年経ってるぞ。)


Ps Ivanと言えば、今やっているVo入りバンドで、Love danceを昨日リハ。
  いい曲だねえ。
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Terence Blanchard /the heart speaks(Columbia)
Terence Blanchard(tp), Ivan Lins(vo,p)
Pauliho Da Costa(per), Oscar Castro Neves(g), Edward Simon(p)
David Pulphus(b), Troy Davis(ds), David Bohanovich(cello), Fred Zltokin(cello)
’95 8月録音


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August 11, 2005

CD購入('05 8/9)

hill2hill1


忘れた頃にやってきたandrew hillの2枚。
ちょっと前にjudgment聞いていて、bnの未発表モノは廃盤になる前に手に入れないと、と注文した。
コーラス入りのlift every voice は既にamazonのリストから外れている。



新しいのだけでなく、過去の名盤はしっかり聞かないと。
1)andrew hill / dance with death
2)andrew hill / passing ships

両方とも渋い!ジャケット。
ざっと聞いたのだけれ2)は非常に素晴らしい音楽。
joe farrell、 woody showを核とした6管を支えるhill, ロンカー、lenny whiteのトリオ。
lennyの最初期の録音らしいが、見直したなあ。
曲もhutchersonのdialogue収録の名曲名演のcattaを彷彿させるnoon tideなど。
ああ、何回も聞きたいCDになりそう。

一方の1)は、どうしても気に要らないベースに耳が行ってしまい、合わないかも。

何やっても裏目に出る低調な毎日だけれど、当たりも出るじゃん。
8月も、来週から後半突入。がんばらにゃ。

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ベース 7/23、7/31、8/6、8/10


<7/23 レッスン>
クラシック:シマンドルpart 7のetude 1。一応、最後まで通すことは出来たのだけど…
スタッカートのニュアンスの捉え方が全然違うこと、弓先が時折下がること、16分音符で音が抜ける
(音圧が一定で無いこと)などを指摘される。
「もう一度、やってきましょう。」…やっぱり、終われなかった。
ジャズ: Joe PassとPedesenの"Have you met Miss.Jones?"。音源を聞いてボサであることが判明。
連続する16分音符の部分などは、結構いい加減な出来であったけれど、
まあ、雰囲気があるから、いいんじゃない?ってことに。次の課題はfaxしてもらうことに。

<7/31 バンド練>
メンバーに都合が合わず、1ヶ月送り。来月は出来ますように。
でないと、構成とか、すぐ忘れちゃう。

<8/6 サークルOB会>
久しぶりに、大学サークルのOB会に。セッションを兼ねたもので、15年ぶりに会う人も。
相変わらず、すんげー人達の中で、みそっかす的な私。でも、楽しかったなあ。
20年前の部室を思い出した。次も行ってみよう。

<8/10 セッション>
ピアノ、女性voの人に誘われて、レストランでのセッション。
Pops系の曲が多かった。3セット目は、体育会系の方達のパーティが始まり妙な雰囲気に。
仕事が上手くいかないなど、色々なことでテンションが低い。はあ。

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August 07, 2005

ボラ&バーバラ

2つ前の記事で、Stefano Bollani, Barbara Casiniのこと書きましたけど、
Nicola Stilo の"Vira vida"でも共演してましたね~。

ボラの参加は知ってたけど、バーバラは気が付かなかった。

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Rava、Vitous、D'Andrea、Humair / Quatre

quatre1quatre2

Enrico Rava(tp)、Miraoslav Vitous(b)、Franco D'Andrea(p)、Daniel Humair(ds)のスーパーカルテット″Quatre″。
'89に録音されたこのアルバムと'91の″Earth Cake″の2枚のCDが同じメンバーでリリースされているようだ。

Earth cakeは地球を型どったケーキの可愛いジャケット。
音の方は強烈で4人の巨人が地球を食べてしまったと言うような感触。
スリル感では劣るかもしれないけれど、分りやすいメロディの多い、″Quatre″の方が僕は好きだ。

このバンド、ネット通販でRavaを検索していて知ったのだけれど、組みあわせには少し驚いた。
D'Andrea 、Ravaの組、Vitous、Humairの組の共演アルバムもあるけれど、この4人がねえ。
演奏する音楽の多様性と面白さ、高度な演奏技術。聞いてみたい!と思う人も多いと思う。

4人の個性が強く出ていて、blindfold testには簡単な素材かもしれない。
それぞれが、とっても面白いのだけれど…例えばVitousのベース。
僕は場をコントロールするのがベース役目の一つと思っているのだけれど、
このアルバムでは、演奏がVitousに支配されているようなところが、所々にある。

軽やかに弾むのだけれど、ズンズンとした4ビートライン。
時折入れる連続する8分音符が、地響のように、雷のように(遠くで鳴ってたり、近くで鳴ってたり)、聞こえたりする。
弦楽器というより、打楽器的な雰囲気も。
軽やかな4ビートランニングでは、16分音符も取り入れることもある。
指が弦上に滞在する時間は、すごく短いのかなあ。それでも存在感がある音。
弦をはじく早さだけで、無いのだろうな。

一方、メロディックに歌い上げるソロでは、一つ一つの音の輪郭がはっきり。
こちらでは、指を引っ掛けてるのかしらん。
弦と指が考えられないくらい仲良しなんだろう。
きっと何も考えてないと思うけれど、その場にあった音色・音量が出てくる。すごいなあ。

このアルバムは、Vitousの魅力を改めて確認できる、名盤だと思う。
1曲目は、Hunair作曲のキャッチーなテーマのミディアムの4ビートで演奏される“Mode for Versace”。
Humairのドラムの引き続き現れる、イントロ部のVitousはちょっと間が抜けているのだけれど、
その後は、彼の魅力のShowcase。
単純でかっこいいTpのテーマリフでのバックでの暴れぶり(端正なので、表現が妥当では無いのだけれど)、
Rava、D’Andreaのソロをスインギーにバックアップする4ビートライン、
超絶なのだけれど分かりやすいメロディのベースソロ。
高音部で、思い切り弾いたときの、彼特有のキシみ具合がたまらん。
(ベースフェチの私は、色んな人のキシみ具合を楽しんでるのだけど。)

続く、F.Expressは、Ravaのとっても美しいバラード。
ルバートテンポに近いテーマ、それに続くのピアノソロ、
D’Andrea、Vitousは寄り添うように演奏しているのだけど、すんげー良いのだよなあ。
二人とも、そんな難しいことしていないのだけど。
Vitousのソロは、ファンには嬉しい長尺。僕はこのソロが大好きだ。
やっぱりメロディアスで分かり易いし、キシミ具合もばっちり。胸に染み入るソロだ。
Ravaのソロでは、フレキシブルにリズムが変化していくのだけど、
ここでの4人の親父達の寄り添いぶり(気持ちわりい)が、とても胸キュンなんだ。
F. Expressって曲名も、なにやら、ジンと来るしね。

3曲目は、Vitousの短いソロパフォーマンス。ピッチカートと、アルコを交互に。
Vitousのアルコってピッチカートに比較すると技術的な完成度が低いと思うけれど、エグミがあっていい。
この曲は、Autoscontoriってフリー度の高い4曲目の導入にもなっている。

・・・・Vitousのことだけ書いてしまっただけど、他の3人も、勿論かっこよい。
Franco D’Andreaは、イタリアジャズ界の重鎮であることは間違いないけれど、ちょっと露出度が低いと思う。
‘90頃のAldo Romanoのカルテットでの活動が知られているくらいでは?
イタリアに閉じこもってないで、もっと色んな人との演奏の機会が増えれば良いのに。

===================================
Rava、Vitous、D'Andrea、Humair / Quatre (Platinum)
Enrico Rava(tp)、Miraoslav Vitous(b)、Franco D'Andrea(p)、Daniel Humair(ds)
’89 2月、3月録音

Quatre / Earthcake (Label bleu)
演奏者は同上
‘91年 1月録音


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August 03, 2005

ボラ meets ウッズ

woods1woods2

イタリアで演奏するアメリカ人プレイヤーも多い。
Chet Baker、 Lee Konitz、最近だとJerry Bergonzi。
Phil Woodsもその一人だ。
Redと並ぶ、イタリアの有名レーベルPhilologyは、すぐ想像できるように、Phil Woodsの名前にあやかったもの。




このレーベルプロデューサーのPaolo Piangiarlli、一人で切り盛りしているように見えるが、
リリースされるCDは面白いものが多く、僕の大好きなレーベルだ。

Paoloの叔父さん、だいぶお歳を召されていると思うけれど、
D’Andoreaの諸作からも分かるように、随分チャレンジ精神に富んだ方と思う。

曲名のミスなど、お茶目なところもあるけれど、これからも、頑張ってもらいたいところ。
(注:でも、トンデモナイのが、たまにあるんだよなあ。→最後に、ちょこっと書きます。)

で、今回書きたいなと思ったのが、ウッズとボラーニの出会いのCD。

2000年に録音されたPhil Woods in Italyと言う7連作のうちの2枚。
Philologyは、連作モノが得意なのだけれど、これはPaolo爺の渾身の力が込められたシリーズだろう。
ライナーノーツにも、爺の熱い想いが語られている。

なんでも、ウッズはBNとExclusiveな契約をしてた時期が長くあったとのこと。
このシリーズは、ウッズがそれを解約したことで作ることができた、爺にとっても記念碑的な作品なんだ。
ウッズも7作全てに、家族に捧げており、それぞれの作品に楽しいコメントをつけている。
多作家のウッズ。僕は、その少ししか聞いたことが無いけれど、ウッズにとっても大切な録音になったのだと思う。

ボラーニとの競作は、Chapter2のvoce e EuとChapter7のWoods plays Woods。
前者はBabara Cashini、ボラ、ウッズのトリオ。
後者は、ボラ、Ares、Massimoってお馴染みのトリオにウッズが加わったカルテット。
両方とも、とても良いアルバムだ。

voce e Euはブラジル集。
ライナーノーツには、ウッズ、Barbaraのコメントが載っているけれど、
二人とも、ピアノだけの伴奏ということで、録音前は少し心配だったような雰囲気が伺われる。
蓋を開けてみたら…。ボラの伴奏だもの、悪いわけ無いのだけれど…
ウッズも、Barbaraも、一音出ただけで、心配は吹っ飛んだって。

BarbaraはEnrico Ravaとの競作であるVento(Label Bleu:これも良いのだ~)で聞いてたのだけれど、ボサなどブラジル系の音楽を主体に活動しているのかな。

VentoでのBarbaraは洗練された印象。
Ravaの親父の色気に負けて、よそ行き姿なのかしらん。
それに対し、ここでは田舎っぽい感じ。太陽とむぎわらのにおいがする。
いろんな顔を持っているところが大人の女の魅力かも。

最初は、田舎っぺぇなあと、それほど気にならなかったCDだったけれど、
丁寧に、それから何度も聞くほど、好きになるアルバムだ。

ラヴァと異なり、裏表がなくストレートなウッズ。
それに合わせてか、ボラーニは、派手な掛けもないけれど、非常に細やかな演奏だ。
彼のファンだったら引き込まれて色々な発見をすると思うし、
初めて聞く人も多彩な音色に驚くのではないかな?

全部、ゆったり聞けるボサノバ・サンバ。
1曲目のちょっと微妙なゆったりテンポでのfotografia(jobim)。
ボラはラグタイムみたいな、トツトツと音を置いていくようなバッキング。
左手の音量と音の切りかた、時折混ぜるペダルを一杯に効かせたフェルマータが絶妙なんだな。
ボラのソロに続くウッズも、安定した歌いっぷり。

僕が特に好きなのは5曲目のアルバムタイトル曲。
ボラの涼やかなイントロが素晴らしい。
水面に石を投げ入れた時の水紋の広がりを見ているよう。
軽いサンバタッチの曲で、気持ちいい風のような、Barbaraの歌も、それに絡みつくウッズも素晴らしい。

8曲目は楽しいカリプソ風の曲(Pra que disctir com madme)。
ピアノソロは、高音部を中心とした、少しクラシックの練習曲みたいな展開。

ちょっと不思議な音がしない?

昨年のボラ・ラヴァのライブで目撃したのだけれど、
ボラは、本当にキレイな口笛をふく。・・・これは、知らない人、多いのでは?

すごく小さな音なのだけれど、それがピアノの高音部と重なって、鈴みたいな音になる。
多分、ここでも口笛をふいていると思う。

9曲目もJobimのEstrade branca(英語のタイトルは何だろう)。これもいい曲だ。
バラードのようなゆったりしたテンポでの演奏。

とても長くなってしまったので、もう1枚のWoods plays Woodsについては、止めてこう。
こちらは1曲抜かして、ウッズのオリジナル曲集。ストレートアヘッドの演奏を聴くことができる。
ボラ、Ares、Massimoのトリオも快調に飛ばしている。かっこいい。

はじめの方に、家族に捧げたシリーズと書いたけれど、
Woods plays Woodsは息子さんのGarthさんに、voce e EuはKim Parker(vo)に捧げられている。

ウッズとボラ、この後2003年には、ラヴァ、コニッツを加えた凄い面子のライブ盤を出している。
(コニッツが不調だけど。)
また、ライナーノーツによると、duoによるバラード集も予定されているようだ。
なかなか、良い組み合わせだと思うよ。この二人は。
それから、良く調べるとBarbaraの旧譜にも、ボラが参加している。こっちも興味深い。

<おまけ philologyのウーム>
僕が聞いたことあるのは、カタログのほんの一部だけれど、ウームと思うものも。

〇Lee Konitz, Tiziana Chigilioni, Stefano Bataglia / So many stars
 中々のメンツでしょ。たまたま、今回コメント書いたアルバムと同じ編成。
 これ、名盤になりそこなってるんだよなあ。すごい、いい演奏が入ってる。
 ・・・なのに、すんげーいい加減な、いらついてしまうような編集。
 Paolo爺、絶対音楽好きなはずなんだけどなあ。うーむ。

〇Chet La musica infinita
  これは、トンデモ盤でも、何でもありません。ジャケにはranato sellaniと、Bossoの名前が!
 よく見ると、その下にPaolo Piangiarelli/ voce recitanteと。
 わからんけれど、どうもPaolo爺が、延々とChetの思い出を語ってるようです。
 きっと、感動的な内容なんでしょう。。。

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