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August 03, 2005

ボラ meets ウッズ

woods1woods2

イタリアで演奏するアメリカ人プレイヤーも多い。
Chet Baker、 Lee Konitz、最近だとJerry Bergonzi。
Phil Woodsもその一人だ。
Redと並ぶ、イタリアの有名レーベルPhilologyは、すぐ想像できるように、Phil Woodsの名前にあやかったもの。




このレーベルプロデューサーのPaolo Piangiarlli、一人で切り盛りしているように見えるが、
リリースされるCDは面白いものが多く、僕の大好きなレーベルだ。

Paoloの叔父さん、だいぶお歳を召されていると思うけれど、
D’Andoreaの諸作からも分かるように、随分チャレンジ精神に富んだ方と思う。

曲名のミスなど、お茶目なところもあるけれど、これからも、頑張ってもらいたいところ。
(注:でも、トンデモナイのが、たまにあるんだよなあ。→最後に、ちょこっと書きます。)

で、今回書きたいなと思ったのが、ウッズとボラーニの出会いのCD。

2000年に録音されたPhil Woods in Italyと言う7連作のうちの2枚。
Philologyは、連作モノが得意なのだけれど、これはPaolo爺の渾身の力が込められたシリーズだろう。
ライナーノーツにも、爺の熱い想いが語られている。

なんでも、ウッズはBNとExclusiveな契約をしてた時期が長くあったとのこと。
このシリーズは、ウッズがそれを解約したことで作ることができた、爺にとっても記念碑的な作品なんだ。
ウッズも7作全てに、家族に捧げており、それぞれの作品に楽しいコメントをつけている。
多作家のウッズ。僕は、その少ししか聞いたことが無いけれど、ウッズにとっても大切な録音になったのだと思う。

ボラーニとの競作は、Chapter2のvoce e EuとChapter7のWoods plays Woods。
前者はBabara Cashini、ボラ、ウッズのトリオ。
後者は、ボラ、Ares、Massimoってお馴染みのトリオにウッズが加わったカルテット。
両方とも、とても良いアルバムだ。

voce e Euはブラジル集。
ライナーノーツには、ウッズ、Barbaraのコメントが載っているけれど、
二人とも、ピアノだけの伴奏ということで、録音前は少し心配だったような雰囲気が伺われる。
蓋を開けてみたら…。ボラの伴奏だもの、悪いわけ無いのだけれど…
ウッズも、Barbaraも、一音出ただけで、心配は吹っ飛んだって。

BarbaraはEnrico Ravaとの競作であるVento(Label Bleu:これも良いのだ~)で聞いてたのだけれど、ボサなどブラジル系の音楽を主体に活動しているのかな。

VentoでのBarbaraは洗練された印象。
Ravaの親父の色気に負けて、よそ行き姿なのかしらん。
それに対し、ここでは田舎っぽい感じ。太陽とむぎわらのにおいがする。
いろんな顔を持っているところが大人の女の魅力かも。

最初は、田舎っぺぇなあと、それほど気にならなかったCDだったけれど、
丁寧に、それから何度も聞くほど、好きになるアルバムだ。

ラヴァと異なり、裏表がなくストレートなウッズ。
それに合わせてか、ボラーニは、派手な掛けもないけれど、非常に細やかな演奏だ。
彼のファンだったら引き込まれて色々な発見をすると思うし、
初めて聞く人も多彩な音色に驚くのではないかな?

全部、ゆったり聞けるボサノバ・サンバ。
1曲目のちょっと微妙なゆったりテンポでのfotografia(jobim)。
ボラはラグタイムみたいな、トツトツと音を置いていくようなバッキング。
左手の音量と音の切りかた、時折混ぜるペダルを一杯に効かせたフェルマータが絶妙なんだな。
ボラのソロに続くウッズも、安定した歌いっぷり。

僕が特に好きなのは5曲目のアルバムタイトル曲。
ボラの涼やかなイントロが素晴らしい。
水面に石を投げ入れた時の水紋の広がりを見ているよう。
軽いサンバタッチの曲で、気持ちいい風のような、Barbaraの歌も、それに絡みつくウッズも素晴らしい。

8曲目は楽しいカリプソ風の曲(Pra que disctir com madme)。
ピアノソロは、高音部を中心とした、少しクラシックの練習曲みたいな展開。

ちょっと不思議な音がしない?

昨年のボラ・ラヴァのライブで目撃したのだけれど、
ボラは、本当にキレイな口笛をふく。・・・これは、知らない人、多いのでは?

すごく小さな音なのだけれど、それがピアノの高音部と重なって、鈴みたいな音になる。
多分、ここでも口笛をふいていると思う。

9曲目もJobimのEstrade branca(英語のタイトルは何だろう)。これもいい曲だ。
バラードのようなゆったりしたテンポでの演奏。

とても長くなってしまったので、もう1枚のWoods plays Woodsについては、止めてこう。
こちらは1曲抜かして、ウッズのオリジナル曲集。ストレートアヘッドの演奏を聴くことができる。
ボラ、Ares、Massimoのトリオも快調に飛ばしている。かっこいい。

はじめの方に、家族に捧げたシリーズと書いたけれど、
Woods plays Woodsは息子さんのGarthさんに、voce e EuはKim Parker(vo)に捧げられている。

ウッズとボラ、この後2003年には、ラヴァ、コニッツを加えた凄い面子のライブ盤を出している。
(コニッツが不調だけど。)
また、ライナーノーツによると、duoによるバラード集も予定されているようだ。
なかなか、良い組み合わせだと思うよ。この二人は。
それから、良く調べるとBarbaraの旧譜にも、ボラが参加している。こっちも興味深い。

<おまけ philologyのウーム>
僕が聞いたことあるのは、カタログのほんの一部だけれど、ウームと思うものも。

〇Lee Konitz, Tiziana Chigilioni, Stefano Bataglia / So many stars
 中々のメンツでしょ。たまたま、今回コメント書いたアルバムと同じ編成。
 これ、名盤になりそこなってるんだよなあ。すごい、いい演奏が入ってる。
 ・・・なのに、すんげーいい加減な、いらついてしまうような編集。
 Paolo爺、絶対音楽好きなはずなんだけどなあ。うーむ。

〇Chet La musica infinita
  これは、トンデモ盤でも、何でもありません。ジャケにはranato sellaniと、Bossoの名前が!
 よく見ると、その下にPaolo Piangiarelli/ voce recitanteと。
 わからんけれど、どうもPaolo爺が、延々とChetの思い出を語ってるようです。
 きっと、感動的な内容なんでしょう。。。

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