« Riccardo Fioravanti / Bill Evans project | Main | 聞いてるうちに。。。。William Parker /Luc's lantern »

May 28, 2005

マイナスワンレコードだって? Kenny Wheeler / What now?

whatnow


ここ暫くのKenny Wheelerの録音は、ベースレス、ドラムレスのものが多い。
目立つところを挙げると、Angel song(ECM), アバンクロンビー、コープランドと組んだThat’s’ for sure(challenge…最近2作目も出た)、John Taylorと組んだmoon(Egea)、Where we go from here?(Cam jazz)…など。
最近の自己名義アルバムだと、Fellini jazz(Cam jazz)にPaul Motianが参加しているくらいでは?

上に挙げたCDは,全て僕の愛聴盤だけれど、特にds(或いはb)が居たらなあと思って聞くことは無い。鶏と卵の話になってしまうけれど、編成で音楽が決まった、或いは音楽で編成が決まった、そんな関係だと思う。

今回のアルバムは、tsが参加していること、bのHollandが参加していることで、多少他のアルバムと印象が異なった。
僕が真っ先に思い浮かべたのはDouble double you(ECM)。デジョネット、ブレッカーが抜けて、tsのChris Potterが参加した形だ。
同じdsレスだと、コニッツ、フリーゼルが参加したAngel Songとはかなり、イメージが違う。(コケた人(ほめ言葉です)が居ないから?)

ライナーノーツに、ケニーへのインタビューがあって、、
「ドラムを入れなかったのは、透明なもの、明瞭さ(Clarity)を求めたからだ。シンバルの音が無いと、全部(things)聞こえるだろ。それに、このアルバムはドラマーにはマイナスワンレコードになるよ(仏頂面で)。」と答えている。

他のdsレスのアルバムと違って、このCDはシンバルレガートが聞こえてこない?
上のインタビューを読んでしまったからかもしれないけれど、これはdsの存在を意識して作った作品にも思える。

そんな気持ちになれるのはクリスポッター、ジョンテイラー、デイブホランドという、凄腕のミュージシャンが、ケニーの意図と上手くシンクロしたからだと思う。
当たり前なこと言うなと、言われそうだけれど、
ジョンテイラーとホランドのリズムセクションは、すごい。
行くべきところは、ゴリゴリに、ずんずん進んでいく。でも、当たり前のように、ステディ。
ケニーが言うように、ここではシンバルの音は不要なのだろう。

いやあ、デイブホランドって、自信過剰ってイメージがあって(単に上手すぎるだけ)、苦手なのだけれど、このアルバムでの彼の代役は居ないと思う。

ケニーも、暫く仙人のような渋い演奏が多かったけれど、ここでは、とても若々しいプレイだ。うれしい。まだまだじゃん。

曲の方は8曲中、2曲one two threeと、for Tracyが前作Where do we go from here?でも演奏された曲。他は新作?ケニーは多作家だから、よくわからん。
1曲目Iowa cityは、冒頭で言ったdouble double youを思い出すような、ミディアムファーストの曲。ピアノのソロの部分なんて、ドラムのマイナスワンCDだ、なんて言われた日には、どうなるんでしょ。
どんな、dsが入ったとしても、このソロが、これ以上すごくなるなんて、想像つかない。
3、5曲目も、同じようなスタイルのストレートアヘッドな曲だ。
5曲目The sweet yakity waltzではデイブホランドの、隙の無いすんげーロングソロが聞くことが出来る。…このソロを素直に好きだと言えないのは、私がひねくれているから?
続くケニー、ジョンのソロも、ため息が出るくらいの凄さ。
ところで、Yakityって何?この曲、全然甘く無いのだが。

6曲目のアルバムタイトルにもなっているWhat now?は不思議な雰囲気を持った、とても魅力的な曲。Angel song, All the moreに収録された、nonethelessと言う曲があるけれど、似たような雰囲気かもしれない。ケニーと、クリスの絡みがとても、きれい。
ワルツを基調にしているけれど、伸びている部分もあって、なかなかトリッキーなところも、素敵。
8曲目Veronaも、同様の不思議さを持っている。ホランドのベースフィギュアが特徴的な曲(Angel songのUntiもベースラインが面白かったけれど)。

バラッドも、For Tracy、The lover mournsという、いかにもケニーらしい作品が収録されている。(余談だけれど、For Tracyのクリスのソロのバックで、誰かの咳が…。なんだか、可笑しい。この人たちでも、レコーディング中咳なんてするんだなあ。)

このアルバム、ちょっと聞くのが怖かった。
メンツがメンツだけに、ハスレは有り得ないのだけれど、悟りを開いたようなケニーに少し疲れを感じていたから。
でも、ここでは若々しい、元気なケニーを聞けてうれしかった。
クリスも、デイブダグラスのアルバム、リーダー作、ケニーとやったフェリーニ集、色んなところで、聞いているけれど、とても良かった。
これまでの演奏も聴きなおしてみよう。

====================
Kenny Wheeler / What now?(Cam jazz)
Kenny Wheeler(flh), Chris Potter(ts), John Taylor(p), Dave Holland(b)

|

« Riccardo Fioravanti / Bill Evans project | Main | 聞いてるうちに。。。。William Parker /Luc's lantern »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference マイナスワンレコードだって? Kenny Wheeler / What now?:

« Riccardo Fioravanti / Bill Evans project | Main | 聞いてるうちに。。。。William Parker /Luc's lantern »