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May 28, 2005

マイナスワンレコードだって? Kenny Wheeler / What now?

whatnow


ここ暫くのKenny Wheelerの録音は、ベースレス、ドラムレスのものが多い。
目立つところを挙げると、Angel song(ECM), アバンクロンビー、コープランドと組んだThat’s’ for sure(challenge…最近2作目も出た)、John Taylorと組んだmoon(Egea)、Where we go from here?(Cam jazz)…など。
最近の自己名義アルバムだと、Fellini jazz(Cam jazz)にPaul Motianが参加しているくらいでは?

上に挙げたCDは,全て僕の愛聴盤だけれど、特にds(或いはb)が居たらなあと思って聞くことは無い。鶏と卵の話になってしまうけれど、編成で音楽が決まった、或いは音楽で編成が決まった、そんな関係だと思う。

今回のアルバムは、tsが参加していること、bのHollandが参加していることで、多少他のアルバムと印象が異なった。
僕が真っ先に思い浮かべたのはDouble double you(ECM)。デジョネット、ブレッカーが抜けて、tsのChris Potterが参加した形だ。
同じdsレスだと、コニッツ、フリーゼルが参加したAngel Songとはかなり、イメージが違う。(コケた人(ほめ言葉です)が居ないから?)

ライナーノーツに、ケニーへのインタビューがあって、、
「ドラムを入れなかったのは、透明なもの、明瞭さ(Clarity)を求めたからだ。シンバルの音が無いと、全部(things)聞こえるだろ。それに、このアルバムはドラマーにはマイナスワンレコードになるよ(仏頂面で)。」と答えている。

他のdsレスのアルバムと違って、このCDはシンバルレガートが聞こえてこない?
上のインタビューを読んでしまったからかもしれないけれど、これはdsの存在を意識して作った作品にも思える。

そんな気持ちになれるのはクリスポッター、ジョンテイラー、デイブホランドという、凄腕のミュージシャンが、ケニーの意図と上手くシンクロしたからだと思う。
当たり前なこと言うなと、言われそうだけれど、
ジョンテイラーとホランドのリズムセクションは、すごい。
行くべきところは、ゴリゴリに、ずんずん進んでいく。でも、当たり前のように、ステディ。
ケニーが言うように、ここではシンバルの音は不要なのだろう。

いやあ、デイブホランドって、自信過剰ってイメージがあって(単に上手すぎるだけ)、苦手なのだけれど、このアルバムでの彼の代役は居ないと思う。

ケニーも、暫く仙人のような渋い演奏が多かったけれど、ここでは、とても若々しいプレイだ。うれしい。まだまだじゃん。

曲の方は8曲中、2曲one two threeと、for Tracyが前作Where do we go from here?でも演奏された曲。他は新作?ケニーは多作家だから、よくわからん。
1曲目Iowa cityは、冒頭で言ったdouble double youを思い出すような、ミディアムファーストの曲。ピアノのソロの部分なんて、ドラムのマイナスワンCDだ、なんて言われた日には、どうなるんでしょ。
どんな、dsが入ったとしても、このソロが、これ以上すごくなるなんて、想像つかない。
3、5曲目も、同じようなスタイルのストレートアヘッドな曲だ。
5曲目The sweet yakity waltzではデイブホランドの、隙の無いすんげーロングソロが聞くことが出来る。…このソロを素直に好きだと言えないのは、私がひねくれているから?
続くケニー、ジョンのソロも、ため息が出るくらいの凄さ。
ところで、Yakityって何?この曲、全然甘く無いのだが。

6曲目のアルバムタイトルにもなっているWhat now?は不思議な雰囲気を持った、とても魅力的な曲。Angel song, All the moreに収録された、nonethelessと言う曲があるけれど、似たような雰囲気かもしれない。ケニーと、クリスの絡みがとても、きれい。
ワルツを基調にしているけれど、伸びている部分もあって、なかなかトリッキーなところも、素敵。
8曲目Veronaも、同様の不思議さを持っている。ホランドのベースフィギュアが特徴的な曲(Angel songのUntiもベースラインが面白かったけれど)。

バラッドも、For Tracy、The lover mournsという、いかにもケニーらしい作品が収録されている。(余談だけれど、For Tracyのクリスのソロのバックで、誰かの咳が…。なんだか、可笑しい。この人たちでも、レコーディング中咳なんてするんだなあ。)

このアルバム、ちょっと聞くのが怖かった。
メンツがメンツだけに、ハスレは有り得ないのだけれど、悟りを開いたようなケニーに少し疲れを感じていたから。
でも、ここでは若々しい、元気なケニーを聞けてうれしかった。
クリスも、デイブダグラスのアルバム、リーダー作、ケニーとやったフェリーニ集、色んなところで、聞いているけれど、とても良かった。
これまでの演奏も聴きなおしてみよう。

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Kenny Wheeler / What now?(Cam jazz)
Kenny Wheeler(flh), Chris Potter(ts), John Taylor(p), Dave Holland(b)

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