« My dream horn would be.... Chet Baler & Paul Bley / Diane | Main | ベース ('05 4/17 ,4/27) »

April 29, 2005

Stephan Oliva / Jade Vision

oliva


GW前の4日間は、とても忙しかったのだけれど、仕事の合間、行き帰りに聞いていたのが、このアルバム。
アブストラクトな線、きれいな線が断続的に繋がっていて、聞いていると簡単に?現実逃避できてしまう。
とても好きな反面、コメントするのが難しいのだが、ちょっとレビューにトライ。

Jade Vision…
スコットラファロが作ったこの曲で始まり、終わるアルバムだ。
ラファロ自身への葬送行進曲のように聞こえる曲だけれど、ちょっと不思議なタイトル。
ひすい色の景色?
アルバムジャケットは、緑がかったフィルターを通してみた、蓮の写真で、まさにJade vision。
とても美しいけれど(でも桃源郷じゃない)、ありえない世界、そんなものを歌っているのかな。

55分の録音の中に、21曲が詰め込まれている。
Jade vision, 王子様、T.T.T.T,Nardis、The peacocks…エバンスゆかりの曲に数曲のOlivaのオリジナル曲が挟まれている。
Jade visionをはじめ、原曲のイメージを大切にしたものもあるが、メロディが解体されて再構築されたものも多い。
例えばピアノとベースのデュオで演奏される王子様では、Bruno Chevillonのベースソロが、オリジナル(ジャズの場で)のコードに基づいたオーソドックスなものである一方で、前後のOlivaのソロは抽象的なものになっている。
4ビートを基調としたフリーフォームであり、ところどころに原メロディのモチーフが現れている。
それがとても、スリリング。
Spartacus love themeは、殆ど原曲の面影はなく、エッジが効いた冷たい演奏に。
また、Nardisはメロディには忠実なものの、リズムは解体されている。
(昔の山下洋輔のソロ:バンスリカーナでの、演奏を思い出した。)。
一方でJade Vision, My man’s gone now, Blue Serge The peacocksでは、余分なものを排した、原メロディだけの演奏。
(って言うと大げさだけど。)

1曲、1曲を大切に聞くアルバムでは無いと思う。
Jade Visionで始まり、Jade Visionで終わる。
今もそうなのだけれど、オートリピートでずっと聞きつづけているのが、良いのかも。
とてもキレイなメロ、尖がったメロが連続せず、断続的に頭の中に振り降りてくる感じだ。

もともと、Bruno Chevillonをもっと知りたくて手に入れたアルバムだ。
リーダーよりも、ベースに耳が行ってしまう。
Marc Johnsonと似たようなテイストを持ったベーシスト。
このアルバムでは、目を見張るような演奏は無いけれど、現在のジャズベーシストでは最高峰のテクニシャンだと思う。
Nardis、Peace Pieceなどで、素晴らしいテクニックの片鱗を聞くことができる。

関連アルバムでは、dsがPaul Motianに替わって、2枚のアルバムInterieur nuit, Fantasumがある。
1曲、1曲を満喫するには、こちらの方が良いと思う。
Jade Visionは、エヴァンスに捧げた”1枚での作品(Olivaにしたら、多分1曲欠けても成り立たないし、曲順も練られたものだろう)”であるのに対し、もっと単純にジャズにおけるスリル、意外性を感じることができる。
後者はMotianの曲を集めたもの。
前者も2曲のスタンダードを除き、MotianとOlivaの作曲を集めたライブ盤。
ラストを飾るSkylarkは、僕が知っている中では一番美しい演奏だと思っている。

==============================
Stephan Oliva / Jade Vision (owl)

Stephan Oliva(p), Bruno Chevillon(b), Francois Merville(ds)

'95 6月 録音


|

« My dream horn would be.... Chet Baler & Paul Bley / Diane | Main | ベース ('05 4/17 ,4/27) »

Comments

Bruno Chevillon、私も大好きなベーシストで彼の名前を見つけるとついつい買ってしまいます。
最近もDavid Chevallier/PYROMANESなんていうアルバムを買ってしまいました。
イブ・ロベールも参加しているので名盤「LETE」にちょっと似たサウンドかな?
何処かのレーベルからでないかなぁ・・・Chevillonのリーダー作!

Posted by: VENTO AZUL | May 03, 2005 at 06:43 AM

この人はサイドに徹している感じですね。
スタンスとしては、ジェニークラークに似ているのかも。
その2枚は、またまた全然しらないやつでした。
イブ・ロベールはトロンボーン奏者でしたよね。

やはりTb奏者のAlain Gibertの盤にChevillonはlouis clavisと参加してます。
こいつは、とても面白いCDで好きなんです。

Posted by: しぶちゃ | May 03, 2005 at 04:39 PM

イブ・ロベールのアルバムは「ETE」でした。
ちなみにデヴィッド・シュバリエも参加しておりましてスタイル的にはデュクレタイプのギタリストだと思います。

ジャン・フランソワ・ジュニ・クラークも大好きなベーシストでして
一昨年リリースされた完全ベースソロは素晴らしい出来で近々自分のブログにアップしようと思っています。

そのCDは知りませんでした。今度紹介してください。
それでは!

Posted by: VENTO AZUL | May 04, 2005 at 04:51 AM

こんにちわ。
Alain、早速?書いてみました。

ジェニークラークの全編ソロ、ジャケは知ってます。
ベースの全編ソロというと、少し抵抗ありますが、聞いてみたいですね~。

レビュー楽しみにしてます。

Posted by: しぶちゃ | May 04, 2005 at 01:27 PM

ジェニー=クラーク、私も大好きです。
ちなみに、完全ソロ作は、話題にされている最近出たライヴ録音(?)だけかと思いきゃ、今はなきCMPから出たやつもあります。
一部ヨアヒム・キューンやクリストフ・ラウアーも参加した、これまた素晴らしいアルバムでした。
再発して欲しいなあ。
失礼します。

Posted by: オラシオ | May 04, 2005 at 11:08 PM

しぶちゃさん、こんばんは。
しぶちゃさんがお好きだというベーシストのBRUNO CHEVILLONに興味を持ったので、CHEVILLON参加作品を1枚入手してみました。
STEPHAN OLIVA / ITINERAIRE IMAGINAIRE(SKETCH)です。つい先ほど一回だけじっくりと聴いてきたのですが、これは素晴らしい作品です!
BRUNO CHEVILLONはきっと只者じゃないですね。たとえ目の前で実際の演奏を見ても分からないと思いますが、どうやって弾いているの?と思ってしまいました。まぁとにかくこの人たちのアンサンブルの凄いこと。アブストラクトな表現がほとんどですが、綿密なスコアにもとづき、ハードなリハーサルを重ねて録音されたものだという感じがしました。
美しい抽象絵画を観ているようでもあり、熱演している姿が目に浮かぶようでもあり...。

Posted by: アーティチョーク | October 01, 2005 at 11:10 PM

アーティチョークさん。
こんちわ。今日は、こっちは暑いくらいですよ。
ITINERAIRE IMAGINAIREは聞いたことありませんでした。管入りなんですね。
僕が持っている3枚は、皆ピアノトリオです。
とてもスリリングなのですが、一体どのように、作られるんでしょうね。
私みたいな人間にはチンプンカンプンです。
(それでも、好きなのですが。)

ポルタルや、Alain Gibertでは、Brunoの分かり易い演奏が聞けます。
同じSketchにはDaniel Humair, Marc Ducret, Ellery Eskelinと組んだ2枚組アルバムがあって、これもハードボイルドファンクって感じで、かっこえーですよ。

こういうの聞きながらのケーキ作りは、お勧めしまへん。

Posted by: しぶちゃ | October 02, 2005 at 04:34 PM

しぶちゃさん、こんにちは。
STEPHAN OLIVA / JADE VISIONSを聴きました。原曲をいったんバラバラにして、断片を拾い集めたようなところがいいですね。ジャズ初心者なので知らない曲が多くて、ほわわ~んとしながら聴いていて、王子様とNARDISの断片が出てくるところでむむっ!と確認したりなんかして(それぐらいしか分からないので)独特の世界に浸っておりました。これ、けっこう好きで~す!
以前にしぶちゃさんに「アブスト好み」と指摘されたので、ドキッとしたんですが(笑)これからは胸を張って「私はアブスト好みです!」って言うことにします(*^^*ゞ
私、こういうの聴きながら平気でケーキ作れると思いますよ。だいじょぶだいじょぶ(*'-'*)

Posted by: アーティチョーク | April 14, 2006 at 04:57 PM

アーティチョークさん
こんばんは。1年前の記事なんで、間違いかと思いました。
「アブスト好み」は、変なこと書いちゃったな、と少し反省していました。でも、そんな音楽楽しむ人たち、好きです。

きっと、マーブル模様のケーキなんて作ると、とっても芸術的な味に仕上がると思います。

最近、アーティチョークさんのお菓子を楽しんでないので(勿論写真だけなのですが。)、また作って写真載せてください。素敵なお皿と一緒に。

Posted by: しぶちゃ | April 15, 2006 at 08:40 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/74992/3910833

Listed below are links to weblogs that reference Stephan Oliva / Jade Vision:

« My dream horn would be.... Chet Baler & Paul Bley / Diane | Main | ベース ('05 4/17 ,4/27) »