EGEAレーベル
イタリアには僕の好きなレーベルが幾つもある。EGEA、Philology、Splash(H), SoulNote, Via veneto, Siena Jazz, Red….
皆それぞれ、特徴があって面白い。最初の1枚のD’AndreaのJobimはPhilologyから出ている。
Philologyは、プロデューサーでもあるPaolo Piangiarelliが一人で切り盛りしているような雰囲気。
Lee Konitz, Phil Woods, Chet Bakerなどアメリカの演奏家とも親交が厚く、イタリアミュージシャンとの競演のもとで、沢山の楽しいアルバムをリリースしている。
EGEAは、この中でもイタリア色(あるいは地中海の色彩)をもっとも強く出しているレーベルと感じている。
ジャケットを見た瞬間、音が出た瞬間に、世界中の誰の所にでも地中海の湿った空気が届くような気がする。
起用するアーティストも、イタリアの文化・伝統を愛し、それを新しい形にしようとしてるのだろう。
それも無理にではなく、自然な形で。
と言っても、イタリア純潔主義ではなく、Kenny Wheeler, John Taylor, Marc Johnson, Gil Goldsteinなどの海外ミュージシャンを取り混ぜた作品も沢山ある。
また、室内楽的な響きを大切にしており、編成もデユエット、トリオなどこじんまりとしたものが多く、クラリネット、チェロ、アコーディオンなどの楽器が目立つのも特徴的。逆にdsは殆ど、出番が無い。
録音にもこだわりがあり、スタジオではなくホールを使った録音が増えている(ジャケットにキレイな写真が載せされている)。
おそらく、スタジオで使われる遮蔽版なども使ってないのだろう。
僕のおんぼろ再生機器でも、なんとなくホール特有の響き、演奏者の息遣いを楽しむことができる。
美しく、とても緊張感あふれる演奏が多いのだけれど、編成だけでなく、録音方法の寄与もあるのだと思う。
もう一つ特徴として挙げておく必要があるのは、ジャケットデザイン。
黒の下地に、白文字のタイトル。右3分の1くらいに額縁に入ったような絵が描かれている。
この絵も、なかなか味わい深いんだな。時折、謎の絵もあって楽しませてくれる。
このレーベルで、僕は沢山の素晴らしいミュージシャンを知った。
ts,ss:Pietro Tonolo, piano: Stefano Battaglia, Danilo Rea, Clalinet: Gabriele Mirabassi, Guiter: Bebo Ferra
なかでも、Gabriele Mirabassi!僕のクラリネットに対する感覚は、全く別物になってしまった。
あふれ出るメロディと、超絶テクニック!
・・・僕がそれまで慣れ親しんだ、アメリカのジャズと全く違う音楽なのだけれど。(うまく表現できない)。
EGEAには好きなアルバムが沢山あって選ぶのに迷うのだけれど。。。。
レーベルカラーを代表する1枚を紹介。
Riccardo Zenga / Barcarola(EGEA SCA095)
Pietro Tonolo(ts,ss), Gil Goldstein(accordeon), Riccardo Zenga(p), Enrico Di Crosta(cello)
編成を見ただけど、初めは、どんな音?って戸惑うかもしれない。
ひたすらメロディに体を委ねることができる。インプロ主体なのに、それを気にさせない。
そんな1枚。
GilがEGEAに登場しているのには驚いたが、Pietroとのコラボレーションで他にも数枚リリースされている。
表に出てくる場面は少ないが、アルバムカラー(レーベルカラーも)を理解した良い演奏をしている。
<ジャズ(イタリア)>
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